伝説の絵本作家の作品に会える! 累計13万人を動員した「かがくいひろしの世界展」が東京で開催中

伝説の絵本作家の知られざる人生と軌跡

伝説の絵本作家、かがくいひろしさんの仕事と人生の集大成を見ることができる展覧会「日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家 かがくいひろしの世界展」が、ついに東京で開催。大盛況のなか、早くも折り返しを迎えています。
日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家 かがくいひろしの世界展
東京都
開催期間:2024年9月14日(土)~11月4日(月・祝)
会場:八王子市夢美術館 https://www.yumebi.com/

かがくいひろしの世界展

かがくいひろしさんは、2004年「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し、『おもちのきもち』で絵本作家としてデビュー。「だるまさん」シリーズが大ヒットとなり、一躍人気作家に。次々と絵本を刊行しましたが、2009年に急逝。わずか4年間に16冊もの絵本を残し今なお愛される、伝説の絵本作家です。

子どもの笑顔のために生きた、かがくいひろしさんの人生と作品を紹介する初の大規模展覧会は、長野、岩手、高知、兵庫、と各地を巡回し、ついに東京へ。

東京「八王子市夢美術館」での見どころ

9月に始まった八王子市夢美術館での展示は、落ち着いた雰囲気の空間で、600点もの展示物がゆったりと見られます。
すべての絵本作品の原画が展示されている
出版された全絵本作品の原画をはじめ、その制作過程がうかがい知れるラフやスケッチ、メモなども多数展示。さらには学生時代の制作物や、家族をとらえた作品、教師として生徒と向き合っていた時代のさまざまな作品などがあちこちに置かれ、会場を巡りながら、かがくいひろしさんの人柄や人生が感じられる内容です。
障がい児教育に携わったころの制作物や教材
また、展覧会のために制作された、かがくい絵本のキャラクターが大集合するアニメーションのコーナーは、必見! 思わず体が動き出す楽しさです。 
『はっきよい畑場所』の「たまね錦」と「にんじ若」の動きに体を合わせる子どもたち。
さらには、多数のアイデアスケッチや未発表作品も展示されており、絵本作家や創作をこころざす方へ、ひとつの姿勢を教えてくれるような展覧会です。
本番で使われなかった原画や習作なども多数展示され、作品の裏側をのぞき見ることができる​
八王子市夢美術館学芸員の梅田真代さんは「作品との距離が近いので、じっくりと作品と対話し、楽しんでいただけるのでは」と語ります。「原画のタッチなどを感じることで、よりいっそう、かがくいさんの人柄を感じ取れると思います。ぜひ本物を見に来ていただきたいです」とのこと。
工作コーナーでは、かがくいさん直筆の「ヘビ人形」作り方シートと材料が置いてあり、その場で工作を楽しめる。混んでいたら持ち帰ってもOK。​
また、本展の企画をされた堀川佳子さんからは、「なぜか毎会場、未完の『快便うんこマン』ラフで締めることになってしまっています(笑)。この東京展では、『うんこマン』発想のきっかけになったであろう、かがくいさんの高校時代の写真も初出ししています」と、展示秘話を教えていただきました。
「快便うんこマン」のラフ(部分)
かがくいさんは小学校時代以降、保谷市に住まわれ、高校は練馬区内、大学も小金井市内と、西東京地域で青春時代を送られており、このエリアに縁のある作家さんでもありました。お近くにお住まいの方はぜひ、この機会に訪れてみてください。
写真/堀川佳子、講談社幼児図書編集部
日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家 かがくいひろしの世界展
東京都
開催期間:2024年9月14日(土)~11月4日(月・祝)
会場八王子市夢美術館 https://www.yumebi.com/

かがくい ひろし

Hiroshi Kagakui
絵本作家

東京都生まれ。1980年、東京学芸大学教育学部美術学科卒業。千葉県下の特別支援学校で28年にわたり教鞭をとる傍ら、人形劇の公演活動や立体作品の制作・発表をおこなう。50歳のとき『おもちのきもち』(講談社)で「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し、絵本作家デビュー。以降、2009年に病で急逝するまでの4年間に「だるまさん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ふしぎなでまえ』『みみかきめいじん』(講談社)、『おむすびさんちのたうえのひ』(PHP 研究所)、「まくらのせんにん」シリーズ(佼成出版社)など16冊の絵本をのこす。写真撮影:大志摩洋一

東京都生まれ。1980年、東京学芸大学教育学部美術学科卒業。千葉県下の特別支援学校で28年にわたり教鞭をとる傍ら、人形劇の公演活動や立体作品の制作・発表をおこなう。50歳のとき『おもちのきもち』(講談社)で「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し、絵本作家デビュー。以降、2009年に病で急逝するまでの4年間に「だるまさん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ふしぎなでまえ』『みみかきめいじん』(講談社)、『おむすびさんちのたうえのひ』(PHP 研究所)、「まくらのせんにん」シリーズ(佼成出版社)など16冊の絵本をのこす。写真撮影:大志摩洋一