「いざ、餃子の待つ浜松へ!」デビュー間近の絵本作家の制作日記

2皿目「いざ、餃子の待つ浜松へ」(2022年 講談社絵本新人賞受賞者)

玉田 美知子

1979年に創設され、かがくいひろしさん、シゲタサヤカさん(佳作)、石川基子さんなど、たくさんの絵本作家さんを輩出してきた「講談社絵本新人賞」。新人賞受賞作品は単行本として刊行されるため、絵本作家を目指す多くの人からご応募いただいております。

第43回講談社絵本新人賞は応募数442作の中から選考会を経て、『まよいぎょうざ』を書いた玉田美知子さんに決まりました! 受賞からデビューまでの日々を、受賞者自ら書き上げる「制作日記」。「ギョーザの日」でもある3月8日からお届けします。
すべての画像を見る(全34枚)

絵本『まよいぎょうざ』制作日記 2皿目「いざ、餃子の待つ浜松へ」 玉田美知子

餃子ももやしも大好きな玉田美知子です、こんにちは。

突然ですが、先日、餃子の街である浜松まで行ってきました!

私の出身地は栃木県にほど近い茨城県なので、宇都宮で餃子を食べたことは何度かありますが、浜松は一度も訪れたことがありませんでした。

これからぎょうざの絵本を出版するにあたって、絶対に行っておきたいと、強い決意を持って新幹線に乗り込んだわけです。

そうしてやってきた浜松。

ぜひとも食べてみたかった、茹でもやし添えの浜松餃子とご対面!

ま、まぶしい! 黄金の輝き~!
これぞ浜松餃子!写真提供:玉田美知子
何個でも食べられてしまう軽さ、甘さ、美味しさ!

そして箸休めにさっぱりとしたもやし。円の真ん中に堂々とたたずむ、主役かと見まがうほどのもやし。
お互いを引き立て合う見事なバランスとハーモニー。

素晴らしい浜松餃子を味わうことができました。

これでまた一歩、ぎょうざ絵本への道を進めたような気がします。

私の場合、描く対象の写真を見ないと何も描けないので、このように直接出向いて写真を撮ったりして、参考になりそうな資料をたくさん集めています。

この体験がより良い『まよいぎょうざ』に反映されることを願って……。
このように「まよいぎょうざ」フォルダを作って参考資料を集めています。写真提供:玉田美知子
そんなことをしていて絵本の進捗は大丈夫なの? とご心配をいただいてしまうかもしれません。

少し前に絵本のミニラフ(全体像)を描き終えて、今は担当編集さんからのお返事を待っている状況なので、その間に餃子の街まで足を延ばしておりました。
「まよいぎょうざ」のミニラフ
まだ制作日記としてお伝えできることは少ないのですが、今回はこのミニラフができるまでをお話ししようと思います。

初めての打ち合わせは、贈呈式が終わってすぐに行われました。審査員の先生方からいただいたアドバイスの記憶が鮮明なうちに、担当編集さんとラフの練り直しです。

タイトル、登場人物のキャラクター、話の流れ、構図、などなど見直す点がいくつもあり、思考が追いつかず……。これをまとめられるのだろうかと不安になりながら、メモを取るだけで精一杯の初回でした。

打ち合わせ後には講談社の社屋まで連れていっていただきました!

外からの見学のみでしたが、かっこいいビルに興奮しながら写真を撮っていたところ、担当さんが「写真を撮りましょうか?」と申し出てくださって、お言葉に甘えて撮っていただいた記念写真がこちらです。
そびえ立つビルの前で。写真提供:玉田美知子  
次の打ち合わせは年賀状の原画をお渡ししたときでした。

もともとは打ち合わせをする予定ではありませんでしたが、こんがらがった頭の中を整理するように、自分の考えを担当さんに伝えて、イメージの擦り合わせができたので、ここで直接お話しできたのは大きかったです!

私のたどたどしい説明にじっくりと耳を傾け理解を示してくださって、胸がいっぱいになりました。

考えがまとまってから1週間くらいでミニラフは完成しましたが、描いた後になっても、やっぱり違うパターンのほうが良かったかなぁ? と迷いっぱなしです。まよいみちこです。

担当さんは、年賀状の色校正のやり取りや、制作日記の添削にしても、わかりやすく端的にアドバイスくださるので、ミニラフもどういう状態で戻ってくるのか、ドキドキしながら楽しみに待っています。

浜松に行き、さらにぎょうざ愛とやる気がみなぎってきました! はやくこの思いを制作にぶつけていきたいです!

次回こそ制作日記らしい内容をお届けできると思うので、また読みに来ていただけたら嬉しいです。引き続き、ぎょうぞ(←担当さん発案)よろしくお願いいたします!

講談社絵本新人賞 受賞作既刊

この記事の画像をもっと見る(34枚)
たまだ みちこ

玉田 美知子

作家

1977年生まれ、神奈川県在住。多摩美術大学立体デザイン専攻卒業。 第21回ピンポイント絵本コンペ入選、第42回講談社絵本新人賞佳作受賞。 2022年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。 2024年、第15回ようちえん絵本大賞受賞、第8回未来屋えほん大賞受賞、第15回リブロ絵本大賞入賞。コーヒー豆のサブスクリプションサービスを運営。

1977年生まれ、神奈川県在住。多摩美術大学立体デザイン専攻卒業。 第21回ピンポイント絵本コンペ入選、第42回講談社絵本新人賞佳作受賞。 2022年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。 2024年、第15回ようちえん絵本大賞受賞、第8回未来屋えほん大賞受賞、第15回リブロ絵本大賞入賞。コーヒー豆のサブスクリプションサービスを運営。