
ダメだとわかっているけど…「わが子とほかの子を比べてしまうとき」におすすめの絵本
大人に効く絵本〔11〕『ぼくだけのこと』『ぞうのエルマー』『あなたのすてきなところはね』がおすすめ
2021.08.18
レジリエンスを絵本で育む
「あなたの すてきな ところはね おひさま みたいな ぽかぽかの えがお。」
「あなたの すてきな ところはね ふりつもる ゆきのような すなおな こころ。」
お子さんと一緒に、ぜひ声に出して読んでいただきたいですね。絵本じゃなかったら、こんなに美しい言葉で、わが子に向かって「大好き」「すてき」と言葉にするのはなかなか難しいもの。
でも、こうして繰り返し言われたら、子どもだって絶対に悪い気はしません。さらに、声に出すことによって、目の前のわが子だけでなく自分の耳にもしっかりと響き、言い聞かせる効果があります。
「あなたが きょう ここにいる っていうこと。ほかには なんにも なくたって、ほんとに ほんとに すごいんだから。」
心の深いところへ届けたいメッセージです。
――「わが子は宝物」という思いはたしかにあるのに、疲れたり、イライラしたりしていると、つい忘れがちです。声に出せば、改めて自分の気持ちを確認できますね。
こうした“すてきな呪文”は、自己暗示の効果もあるでしょう。
近年、教育の世界では<レジリエンス>という言葉が注目されています。これは心理学の用語で、逆境や困難など、強いストレスに直面したときの耐性や抗力、立ち直る力のことです。<鋼のような強さ>ではなく、<しなやかな竹のような強さ>を意味します。
今回ご紹介した3冊は、すべて<レジリエンスを育む絵本>といってよいと思います。自分らしさが周囲にもたらすものを、親も子ども自身も理解して認める。絵本の文章を呪文のように唱えながら、親子でレジリエンスを育んでみてはいかがでしょうか?

東條 知美
1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html
1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html