Q3「スキンシップの一環として添い寝をしていますが、欧米では添い寝はあまりしていないと聞きました。性教育の観点からもずっと子どもと一緒に寝るのは良くないのでしょうか?」

たかお「添い寝は日本に関していえば住環境や文化による影響が大きいので、いくつまでならいいということはないと思います。それに最近はアメリカでも添い寝が流行っているようです。

親も子も同じ空間で一緒に寝たいと望んでいるなら、いくつになってもよいのではないでしょうか。
ただ、思春期以降は自分だけの空間で寝たいと思う子が多いので、子どもの希望を親の側から確認してみてください。部屋が足りないといった住宅事情がある場合は、カーテンで仕切るなどの工夫も必要になってきます。また、逆に添い寝をしないとスキンシップが少ない、ということも決してありません」

「子育ては、ときに親に負担がかかりすぎることもあるけれど、無理な我慢はしないこと」(みさとさん)。  撮影:葛西亜理沙

みさと「ちなみに我が家は私がゆっくりと眠りたかったので、下の子が3、4歳の頃に別の部屋で寝るようになりました。

私は“親が自分の心地よさや気持ちよさ”にもっと素直になっていいと思っています。
日本はどうしても子どもが第一優先で、親、特に母親に大きな負担がかかりがちです。でも、子どもを尊重するように、親も一人の人間であり、自分のことを大事にするべきだと思います。これもある意味、性教育で伝えている自分のことは自分で決定していいということにつながるかもしれませんね。

それにいつも子ども優先で、我慢をしている親を見ていたら、子どもも“いつか自分は大人になったら我慢をしなくちゃいけないんだな”と思ってしまう。それはかわいそうですよね。

親も自分の生活に満足をしている姿を子どもに見せてあげる方が幸せだと思います」

子どもが成長するにつれ、これからまだまだたくさんの性に関する「どうしよう」という疑問が湧いてくるはずです。
そんなときはたくさんの意見に目を通してほしいとみさとさんとたかおさんは言います。

みさと「大前提として、ネットや本の情報のひとつの側面だけをみて、それが正しいと判断するのは控えた方がよいでしょう。
たくさんの記事や本、意見を読んで、性に関する多様な考え方、伝え方があることを知ってほしいです」

たかお「僕たちは医師ということもあり、科学的な話は正しくお伝えできますが、考え方は人ぞれぞれです。多くの情報に触れ、自分や自分の家族にあった情報や伝え方を活用するようにすることで、親も子どもも幸せになれると思っています」

「性を学ぶ」ということは、「体の特徴や作り」を学ぶという以前に、「自分自身で判断して、自分を大切にする」ことである、というのがお二人のお話からよくわかりました。

センシティブな性にまつわる悩みも、子どもの気持ちに寄り添い、正しい性の知識とともに改めて考えてみると巷の情報にまどわされることもないかもしれません。

取材・文/知野美紀子

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産業医の妻・みさとと、病理医の夫・たかおの夫婦ユニット。
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