2021.10.07

なぜ「い」「こ」からひらがなを学ぶの? <小学校低学年>家庭学習のコツ

子どもの「やりたい!」を引き出す家庭学習のヒント#3

寄稿家:高村ミチカ

どうすれば子どもが主体的に家庭学習に取り組んでくれるのか。どうすれば学力を高めることができるのか。こうした家庭学習の悩みを抱えているお家の方は多いことでしょう。

実は子どもの家庭学習は、ちょっとした工夫で大きな違いが生まれます。

元小学校教員で現在オンライン相談サービス「ウチのこは」で相談員を務める高村ミチカさんが、家庭学習のお悩みに答えるこの連載。子どもの「やりたい」を引き出す家庭学習のヒントとは?  

第2回「子どもの力を伸ばすコツコツ型・ワクワク型 家庭学習の実践方法とは」では、家庭学習には、知識・技能を定着させる「コツコツ型」と、学びを日常生活につなげる「ワクワク型」があるとご紹介しました。

第3回では、小学校低学年(1・2年生)向けの「コツコツ型」「ワクワク型」、それぞれの学習方法を紹介します。

お子さんに合った学習方法をぜひ見つけてください。

低学年向け「コツコツ型」のオススメ学習法

形の簡単な文字から練習すると覚えやすい。
写真:アフロ

まずは、低学年向けの「コツコツ型」のオススメ学習法を、「国語」と「算数」について、それぞれ紹介します。

ひらがなを覚えるときには「形」に注目!

はじめに、国語についてのポイントをお伝えします。低学年では、ひらがな・カタカナをしっかりとマスターしましょう。文字を学習するときには、形を正確に覚えることと、実際に文章の中で使えることが大切です。

ひらがなを練習するときには、「あ」から順番にただ書くという練習をしてはいけません。「あ」行は「あ」「え」「お」など、形が難しいひらがながたくさん出てきます。

「あ」がうまく書けなくてつまずいてしまうと、書くこと自体に苦手意識をもってしまう場合も。「い」や「こ」のように簡単な形のものから練習するよう声をかけてみましょう。

覚える際のポイントは、「ま」と「も」や、「は」と「ほ」のように、似ているひらがなを比べて形の特徴をつかむこと。多くの学校では、ひらがなの学習を「あ」から始めるのではなく、「い」と「こ」から始めます。

これは簡単に書けて、かつ比べることで形を意識しやすいからです。似ているひらがなを比べながら覚えることで、形の特徴をつかむことができ、効率よく覚えられます。

最初は子どもに、「ひらがな表から似ているひらがなを見つけてみよう」と促してみるといいでしょう。

また、形に注目することは、カタカナや漢字など、文字を覚えるときの大事なポイントです。特にカタカナの場合は、「き」と「キ」や、「せ」と「セ」のように、ひらがなと比べることで、形の違いを意識することが重要です。

間違いやすいところに印をつけると、どこが違うのかを意識するようになるので、ひらがなとカタカナが混同するのを防ぐこともできます。

カタカナは「言葉集め」が効果的

次に、「あ」は「あ」のまま練習していてもあまり意味がありません。「あ」が「あり」「あめ」「あし」といった言葉として使えると理解することが大切なのです。

そのため、文字を練習するときには、「『あ』のつく言葉を◯個集めてみよう!」といった言葉集めをしてみてください。「○分でどっちがたくさん集められるかな?」などと、お家の人と競うのもいいでしょう。

なかでもカタカナは、「どんな言葉がカタカナで表されるのか」を理解するという意味で、言葉集めがとても効果的です。

一般的にカタカナで表記されるのは、「パソコン」「テレビ」「リモコン」といった外来語。

しかし、子どもに「カタカナは外来語に使うんだよ」とはじめに説明しても、なかなかイメージは湧きません。そこで、まずは身の回りにあるカタカナの言葉をたくさん集めてみて、どんな言葉がカタカナで表されるのかを具体的に知ることが大事です。

「サラダ」「ガラス」のように英語の言い方がそのまま使われている言葉を例にして、「外国の言葉を使っているものをカタカナで表すんだよ」と説明すると、理解しやすくなるでしょう。

「計算カード」でスピードアップ!

計算カードは計算スピードを速める強い味方になる。

次は、算数についてのポイントをお伝えします。低学年では、1ケタ同士の四則演算の答えは暗算できるように目指すと、中学年以降の計算力がぐんと上がります。

暗算をマスターするのに便利な道具が「計算カード」です。表に「1+1」のように計算式が、裏には「2」のように答えが載っているカードのことです。入学準備品で購入したものの、お道具箱の奥にしまったままという方も多いのではないでしょうか。

実はこのカードが、子どもの計算スピードを高めるのにとても役立ちます。

使い方は簡単です。表の計算式を見て、答えを当てる、裏を見て答えを確かめる、というふうに使います。このカードのいいところは、裏に答えが書かれているので、すぐに答え合わせができるところ。丸つけの必要はありません。

その場で答えがわかるので、間違いにすぐ気づくことができ、効率よく計算力を高められます。また、カードなので、間違えた問題だけを集めて繰り返し練習できるのも、うれしいポイントです。

計算で大事なのは、「速く正確に解く」こと。フラッシュカードのように、計算式を見たらすぐ答えが出るくらいまでスピードを高めていきましょう。

「○分で何枚正解できた」という記録をつけていくことで、子どものモチベーションを高めることができます。

計算カードが手元にない場合は、ネットでダウンロードして印刷することも可能です。

百ます計算もオススメ

ゲーム感覚でできる百ます計算。
出典:ちびむすドリル

計算カードが慣れてきたら、百ます計算もオススメ。

百ます計算とは、縦10×横10のますの左と上にそれぞれ0〜9の数字がランダムに並んでおり、それぞれ交差するところに指定された計算方法の答えを記入する計算トレーニングのこと。足し算、引き算、かけ算、割り算、どれでも使えます。

百ます計算のいいところは、ランダムに数字が並べられていることです。

例えば、2年生で習うかけ算の九九。九九を覚えることはできていても、「1×1=1、1×2=2、1×3=3……」と、いちいち順番に唱えていては、計算のスピードは上がりません。

「7×4=28」「6×8=48」のように、どんな組み合わせでもスムーズに答えられる必要があります。百ます計算のように、いろいろな数の組み合わせでトレーニングすることで、計算のスピードが上がるのです。

また、百ます計算は、1ケタ同士の計算なので、ますを埋めていく作業自体はあまり難しくありません。そのため、計算が苦手だと感じているお子さんでも、「できた!」という達成感を味わいやすいというメリットがあります。

さらに、毎回時間を計るようにすると、「もっと速く解けるようになりたい」と、学習意欲も高まります。

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