2021.12.01

ブックマーク

愛子さまご成人の今あらためて知りたい天皇陛下と雅子さまの子育て

「父はやさしく、母は賢く」雅子さまの笑顔あふれる子育て法

皇室ジャーナリスト:渡邉 みどり

2020年12月1日に19歳のお誕生日を迎えられた愛子さま。愛犬の由莉と。写真/宮内庁提供

12月1日、天皇陛下と皇后雅子さまの長女・愛子さまが20歳のお誕生日を迎えられました。ご成年となられた愛子さまは、成年皇族としてご公務に取り組んでいかれることになります。立派に成長された愛娘を見て、陛下と雅子さまには胸にあふれる想いがおありになることでしょう。

ちょっと時間をさかのぼって、愛子さまが生まれたころの雅子さまの子育てを振り返ってみましょう。60年以上にわたって皇室の取材を続けてきた、皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんにご寄稿いただきました。雅子さまは、愛子さまをどのように育てられたのでしょうか?


以下の本文、キャプションでは、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名などは、その当時のものを使用しています。

流産を乗り越えてようやく生まれた、待望の赤ちゃん

宮内庁病院を退院される皇太子妃雅子さまと、愛子さま。愛子さまを見つめる雅子さまの優しい微笑みが印象的でした。写真/JMPA

2001年11月30日23時すぎ、東京・元赤坂の東宮御所の正門から3台の黒塗りの大型乗用車が走り出しました。車はパトカーの先導で皇居半蔵門から宮内庁病院へ向かいます。雅子さまにご出産の兆候が見られたのです。

宮内庁病院の玄関に車が横付けされると、皇太子さまに付き添われた雅子さまが病院内に入られます。

翌12月1日の昼ごろにはご出産が近づき、皇太子さまも分娩室に入って雅子さまを励まされます。午後2時43分、元気な産声が聞こえてきました。身長49.6センチメートル、体重3102グラムの元気な女の子。内親王が誕生したのです。

生まれたばかりの新宮さまは、銀色のたらいで産湯をつかわれました。純白の絹の産着に包まれた新宮さまは、雅子さまの隣の小さなベビーベッドに寝かされます。ご両親との初めての対面です。

愛子と名づけられた内親王の称号は、敬宮(としのみや)と決まりました。お印は、ゴヨウツツジ。ゴヨウツツジは那須高原に咲く白いツツジです。皇太子さまと雅子さまが散策していたときに目にとまったという、この気品あふれる可憐な花をお印とされたのでした。

愛子さまが生まれた日の午後、「賜剣(しけん)の儀」が執り行われました。おじいさまにあたる天皇陛下より、守り刀と袴が贈られる儀式です。袴は数えで5歳になったときに行われる儀式でお召しになるもので、この日は目録のみ。

愛子さまの枕元には、守り刀と袴が置かれました。さらに魔除けの天児(あまがつ)人形と犬張子。病気や災いの身代わりとなるほか、赤ちゃんの遊び相手にもなるといわれています。

これらは赤ちゃんの健やかな成長を祈って置かれたものでした。ご結婚から8年がたち、流産の経験を乗り越えて授かった、まさに待ちに待った赤ちゃんだったのです。

「生まれてきてありがとう」

出産後の初めての記者会見で、雅子さまはこう話されました。
「誕生を楽しみに思うと同時に、初めてのことでもありましたので、無事に出産できるまではと、色々と不安に思うこともありました」「無事に出産できました時には、ほっといたしますと同時に、初めてわたくしの胸元に連れて来られる、生まれたての子どもの姿を見て、本当に生まれてきてありがとうという気持ちでいっぱいになりました。

涙ぐみながら語る雅子さまの背中に、皇太子さまがやさしく手をあてて励まされます。雅子さまは続けて、
「おなかの中に、小さな生命が宿って、はぐくまれて、そして時が満ちると、持てるだけの力をもって、誕生してくる。そして、外の世界での営みをはじめるということは、なんて神秘的で素晴らしいことなのかということを実感いたしました」

そして、会見の最後には、「母親になって涙もろくなったようです」と笑顔をお見せになったのです。

愛子さまをだっこされる皇太子さまと、笑顔で見守る雅子さま。2002年2月、東宮御所にて。写真/宮内庁提供

雅子さまに抱かれた愛子さま。2ヵ月をすぎ、ますますかわいらしくおなりです。 写真/宮内庁提供

2002年3月、赤坂御用地の梅林を散策される皇太子ご夫妻と愛子さま。 写真/宮内庁提供

絵本を読んでもらうのが大好きな愛子さま

愛子さまを抱いて宮内庁病院を退院された雅子さま。東宮御所では、愛子さまはかつては紀宮さま(現・黒田清子[さやこ]さん)が使われていた南向きの8畳の部屋で過ごされることになりました。この部屋は、水回りを直し、コルク張りの床に替えて、赤ちゃんが安全に遊べるようにリフォームされていました。

この部屋で、2人1組の看護師に助けられながら、雅子さまが毎日5回授乳される子育てがスタートしたのです。愛子さまは6ヵ月になると、寝返りが始まり、お座りができるようになりました。

やがて離乳食に進むと、裏ごししたイモやカボチャなどを召し上がるようになりました。よく食べよく遊び、声をあげて元気に笑う子どもに成長していったのです。

「愛ちゃん」
と呼びかけると、ご両親に笑顔を向けます。絵本を読んでもらうことと、抱っこされて庭を散歩するのが大好きな女の子でした。雅子さまが読む絵本を、ひざの上に座って楽しそうにご覧になる愛子さまの姿が目に浮かぶようです。

父親となった皇太子さまは、積極的に子育てに取り組み、よきお父さまぶりを発揮されていました。

愛子さまはお父さまが大好き! 首がすわり、体がしっかりしてくる8ヵ月を過ぎると、皇太子さまは愛子さまをベビーキャリアに乗せて背負って歩かれるようになりました。プライベートで一緒に行動できるように、山歩きで鍛えられた皇太子さまならではのアイデアです。

2002年8月、愛子さまをベビーキャリアに乗せて背負い、沼原湿原を散策される皇太子さまと雅子さま。 写真/読売新聞アフロ

のちに雅子さまは笑顔でこう話されていました。

「皇太子さまは大変、育児を助けてくださり、子どものことを可愛がっていらっしゃいますので、子どものほうもお父さまが大好きで、大変なお父さまっ子でございます」

まさに「お父さまはやさしく、お母さまは賢く」という子育てを実践されていたのでした。皇太子さまと雅子さまの愛情に包まれて、愛子さまはすくすくと育っていかれたのです。


(構成・編集協力 高木香織)

わたなべ みどり

渡邉 みどり

Midori Watanabe
皇室ジャーナリスト

皇室ジャーナリスト、文化学園大学客員教授。早稲田大学卒業後、日本テレビ放送網に入社し報道情報系番組を担当する。1989年の昭和天皇崩御...

たかぎ かおり

高木 香織

Kaori Takagi
編集者・文筆業

出版社勤務を経て編集・文筆業。2人の娘を持つ。子育て・児童書・健康・医療の本を多く手掛ける。編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言...

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