2021.09.17

子どもの「マイクラ」学習をサポートするための心構えとコツ

子どもが伸びる「マインクラフト入門」#3

マイクラを遊ぶ時に親の役割は重要です。
写真:milatas/イメージマート

デジタル版ブロック遊びとも呼ばれ、子どもに大人気のゲーム「マインクラフト(通称:マイクラ)」。子どもから大人まで夢中になれるゲームとして、世界中のプレイヤーを魅了しています。

子どもの教育にも効果的だというマイクラの魅力を、アジア初プロマインクラフターで、マイクロソフト認定教育イノベーターのタツナミシュウイチさんに教えていただくこちらの企画。

第3回目は、子どもをマイクラで遊ばせるときの心構えや、親子で楽しむためのコツなどについて学びます。マイクラ未経験のパパママたちは必見です!(全3回の3回目/#1#2を読む)

親の役割は「マイクラとリアルの世界」を繋げること

マイクラはゲームや遊びに分類されていますが、私は教育ツールとして捉えられると思っています。

学びのきっかけになる要素をふんだんに実装しているところが、マイクラの隠れた魅力。また、デジタルの世界だからこそできる”無限のものづくり”によって、ゼロからイチを生み出す訓練にもなります。

でも、マイクラに夢中になるお子さんを見て、なかには「ゲームばかりして大丈夫なのだろうか」と不安に感じる親御さんもいるかもしれません。

ただ、僕は本を100冊ドンと積み上げて夜な夜な読み続けることと、マイクラでものづくりをすることは、何が違うんだろうって思うんです。

本に夢中になっているお子さんに対して、「本ばっかり読んでばかりでけしからん」とは思いませんよね?

マインクラフトのスタート画面。マイクラは遊びながら学べる“教育ツール”でもある。
(C)2021 Mojang AB. All Rights Reserved. Minecraft, the MINECRAFT logo and the MOJANG STUDIOS logo are trademarks of the Microsoft group of companies.

もちろん読書にしても、マイクラにしても、日常生活や学校の宿題をちゃんとやることは大前提。

でも、マイクラでコツコツと何かを作り続けることは、教育的に悪いことではないと思うんですよね。

もし私の子どもがマイクラで夜な夜なピラミッドを作り続けているとしたら、「よし! じゃあいつか本物を見に行こう!」って言いますね。

すぐには行けなくても、本物のピラミッドの映像を探して一緒に観てみたり、本やネットで実際の写真を探すのを促してあげたりします。

実物を見せたうえで、再現してごらんよと背中を押すと思います。

そうすると、もっとこうしたいという気持ちが芽生えたり、もしかしたらエジプトの文化に興味を持ったりするかもしれません。

リアルに存在するものとうまくつなげてあげることで、世界や社会に強い興味を持つきっかけにもなります。

2児のパパでもあるタツナミさんは「子どもの熱中体験を見守ってあげて」と話す。

「子どもの夢中」に伴走しよう

これはマイクラに限らない話かもしれませんが、重要なのは「親は子どもの伴走者である」という意識を持つことではないでしょうか。

そのために、まずは子どもがいま何に夢中になっているのかを見極めること。

夢中になっている対象がマイクラであれば、マイクラで何をしていて、どんなことを求めているのかを理解することが大切だと思うんです。

先ほど、エジプトの例を挙げましたが、マイクラで何かを作り上げると、必ずと言っていいほど誰かに見てもらいたくなります。

もし親に見せてきたのなら、「こんなの作って何になるの?」なんてことは絶対に言わず、興味を持ってあげてほしいです。

コツコツと創り上げたタツナミさん作のピラミッド。前にはエジプト神話に登場する神々の姿も。
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そのうえで、たとえば「せっかくこんなにすごいのを作ったんだから、いろんな人に見てもらおうよ」と言って、作品をYouTubeにアップしたり、コンテストに出してみたりと、いろいろな可能性を提案してあげるといいかもしれません。

YouTubeにアップすると、もしかしたら数人からコメントが届くかもしれません。反応があるということは、自分の手掛けたものが評価されたという承認欲求を満たせることにもつながります。

ちなみに私は、マイクラの大会審査員を務めるときにいつも言うのは、「大人や先輩ではなく、いち一クラフターとしてお話しをしますね」ということ。実際に子どもたちが手掛けた作品は、いつも驚くような出来映えです。

「これすごいね! 僕にはたぶん作れないよ」と伝えると本当に喜んでくれます。

「誰かに褒められるってこんなに嬉しい気持ちになるんだ」という経験を繰り返すこと、親は保護者ではなく伴走者として、ときに手助けしたり見守ったりすることが大切になるのではないでしょうか。

「マイクラはただの遊びだから」と思い込んで、子どもの好奇心の芽生えや創造への欲求を見落としてしまうと、いろいろな可能性を潰しかねないと思います。

マイクラは「伝える力」をも養ってくれる

マイクラで作品を作る子どもたちを見ていて、いつも感じるのはプレゼン能力の向上です。

大会や学習塾のカリキュラムなどで、自分のマイクラの作品をプレゼンするときの子どもたちの目は、本当に輝いています。

最初は、前に立ってしっかり説明できるところからスタートして、なかにはこだわりをもっと伝えたいということで動画を作る子もいます。自分の声で解説を吹き込んだり、音楽を乗せたりと、いろいろなことに興味が広がっていき、出来ることが増えていくわけです。

これを繰り返したら、いつの間にか大人顔負けのプレゼン能力が身についているでしょう。

こちらもタツナミさんの力作、広島の「厳島神社」。作品の魅力を伝えたいという思いがプレゼン能力を高めるきっかけになる。
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なぜマイクラは子どもたちを惹きつけてやまないのか。

それを理解する一番の方法は、子どもたちと一緒に遊ぶことです。子どもたちと一緒に遊ぶことで、何が楽しいのかを感じ取ることができるはず。

傍観者として眺めているだけではなく、一度でいいのでぜひ一緒に遊んでみてもらいたいです。子供と一緒に、マイクラの世界にドップリハマってみると、見えてくるものがありますよ。

取材・文/末吉陽子

たつなみ しゅういち

タツナミ シュウイチ

マインクラフト歴12年の『 マイクラおじさん 』。アジア初のプロマインクラフター。マイクロソフト認定教育イノベーターMIEE(Micr...