2022.06.05

ブックマーク

お片づけは子どもの「自立ツール」 家庭でできるお楽しみ片づけ教育

その1「まずは片づけの仕組みを作る」 お片づけプレゼンターの楽しい片づけ術

時政 美由紀

「子どもにとって大切なのは、お手伝いより、勉強より、まずは “片づけ”と“身支度”です」と言い切る整理収納アドバイザーのカール友波さん。

片づけと身支度が勉強より大事というその真意をお聞きすると、
「お片づけ、身支度を通して、子どもに自立をしてほしいということです。片づけ、身支度ができれば、勉強やお手伝いも自然とできるようになるからです。片づけや身支度は、自分自身のこと。子どもであっても自分でできないと困りますよね。生活の基本中の基本です。だから、勉強やお手伝いよりもっと大切だということなんです」

カールさんは、『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』の著者で、お片づけプレゼンターの肩書きを持ち、企業や学校の講座、セミナーなどでも活躍中です。

片づけや身支度が子どもの自立を促すという「片づけ教育」について詳しくお聞きしました。
全7回にわたって紹介していきます。今回はその第1回目です。

※特に、新1年生から低学年の子どもを対象にしています。

少しずつ自分で“身支度”ができる子に

学校に慣れてきた今だからこそ習慣にしたいこと

新学期に入り、ゴールデンウィークも過ぎ、子どもたちはそろそろ学校に慣れてきたころ。そんな時期だからこそ、おすすめしたいことがあるとカールさんは言います。

「子どもが学校には慣れてきたけれど、“困りごと”も出てきた時期ではないでしょうか。例えば、“忘れものをするようになった”とか、“学校からの連絡を伝えない”、“給食袋や体操服を持って帰るのを忘れる”など、思い当たることはありませんか?」

新学期前後は、親子ともどもバタバタの大忙し。ようやく落ち着いたとはいえ、新1年生はまだまだ親がかりのことが多いもの。忘れものや連絡し忘れなど、無理もないこと。だからといってそのままにしないで、困りごとがあぶり出されたタイミングが絶好のチャンスというわけです。

「今はできなくても、親がちょこっと仕組みを作ることで、子どもの困りごとは徐々に解決していきます。ゴールデンウィーク明けから夏休みに入るまでが大切な時期。忘れものが多かったり、連絡帳に書いてあることができないと、学習に不都合が出たり、たび重なると『またやってしまった……』と自己肯定感が下がっていきます。

忘れものすると学習にも支障が出てしまう

ランドセルの置き場所を決める

「ここでは“身支度”と言っていますが、歯磨きをして顔を洗って、服を着るなどの身支度はもちろん、時間割をそろえる、学習の準備をするなど、自分自身の身の回りの支度全般を言っています。この身支度を整えるためにも、まずは“基本的な定位置の決定”が必要になります」

モノの定位置が決まっていないと、どこに何があるのかわからなかったり、そのつど探しまわったり、そもそも自分が何を持っているのかすら、よくわからなくなってしまいます。

「あるあるなのが、いまだにランドセルの置き場所が決まっていなくて、玄関やリビングに放り出してあるなんていうケースです。片づけの決まりごととして、“よく使うモノほど定位置化する”というのがあります。とにかくランドセルや学校のものは、必ずここに置くようにするということです」

子どもが「ただいま~」と学校から帰ってきたら、ランドセルはリビングに放り出されたまま……よくある風景だと思いますが、これを見過ごさないでほしいということなのです。

「最近はリビング学習がメインなので、リビングの一角に子どものコーナーを設けて、勉強をするならここ、ランドセルを置くのはここ、というように“片づく仕組み”を作るのです」

マンションなら、リビングの横に和室がある間取りも多いので、子どもコーナーはこの和室を利用してもいいですよね。まずは定位置化! 特に毎日使うモノほど使い勝手がいい場所に定位置化、が絶対ということです。

ランドセルあるある、玄関に放り出されたままの状態で

“とにかくここに入れる”という場所を決める

「さらにあるあるなのは、連絡帳や学校からのお手紙を置く場所が決まっていないというケース。お母さんお父さんが忙しくて『連絡帳見せて』と、ようやく出てくること、あると思います。親が『連絡帳見せて』の気力もないほどヘトヘトならスルーしてしまうなんてこともあるかもしれません。でも、帰宅したら“とにかくここに入れる”という場所があれば、親も子どもにうるさくて言わなくてすみます」

では、“とにかくここに入れる”という場所はどこで、どういうふうに決めればいいのでしょう。

「紙ものは、じか置きで“横にする”人が多いんです。それは、テーブルや机の上に直接紙が寝ている、平積みになっている状態です。片づいていない家の典型的なパターンです」

新聞や雑誌の積読はもちろん、大事な書類や郵便物など、一緒にどんどん積み上げられていき……というシチュエーション、あるあるです。その中に学校関係のお手紙が混ざっていたとなると、子どものせいというより、親の管理能力が問われてしまいます。

「私が実際に使っていて、おすすめしているのは、A4の用紙が入る100均のカゴ。“とにかくここに入れる”というルールを作って、子どもに連絡帳やお手紙を入れてもらいます。で、親はそこさえ見ればなんらかが入っているので、それ以外のところを探したり、子どもに催促する必要もないということです」

「きょうだいがいるなら、〇〇くんはこのカゴ、〇〇ちゃんはこのカゴというように分けておくといいでしょう。でも、形は必ずA4の用紙が余裕で入る同じサイズのカゴというのがポイントです」

そうなると、子どもだけでなくお母さんのカゴ、お父さんのカゴというのも欲しくなってしまいますが……。

「私はカゴを6つ持っていて、仕事用、プライベート用で分けています。それ以外に4つあるわけですが、紙ものはカゴに寝かせておいて、時間のあるときに仕分けをします。その仕分けにカラのカゴを使います。紙ものはファイルなどにきっちり仕分けるとかえって時間がかかってしまい、効率的ではありません。“とにかくここに入れる”カゴを徹底することをやってみてください」

A4の用紙が余裕で入るカゴがおすすめ

カゴはモノを一時避難させるのにも便利

「紙ものだけではなく、食卓や机にはさまざまなモノが出ているものです。こういう場合にもカゴが役に立つとカールさんは言います。

「子どもの筆箱や鉛筆、リモコン、スマホなど、食卓には紙以外のモノもあります。食事時、それをいちいちどけてテーブルを拭くのは面倒ですよね。そんなとき、カゴにモノをポイポイ一時的に避難させれば、ふきんがけもあっという間です」

夕飯前に、子どもが食卓で宿題中、シール絵本を広げてシールが散乱、カードゲームに夢中……そんなときも、カゴにモノを一時避難させれば、すぐ食卓に夕飯を並べることができます。

「仕分けの途中でもカゴは重ねてOKなので、時間があるときに仕分けをすればよく、時間を有効活用できますよね」

まずは、片づけの仕組みを作ってあげる。学校が始まって、少し慣れてきたこの時期だからこそ、そこをおさえておけば、忘れものを減らせる、明日の学習の準備ができるなど、身支度ができる子どもの第一歩につながるというわけです。

一時的に積み上げておいても大丈夫

カール友波(かーる となみ) 
プロフィール

お片づけプレゼンター
キャッチフレーズは「か~るく、明るく、お片づけ!!」  深刻にならず、世間の常識・お片づけの常識にしばられず、その人らしい楽しい生き方を楽しめる、肩ひじはらないお片づけをご提案している。

整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師(子どもの片づけ教育)、時短家事コーディネーター®Basic認定講師、発達支援教育士認定講師(発達障害・グレーゾーンのお子さんの身支度とお金の教育)。

著書は『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』(永岡書店)、『「片づけなさい!」と言わずに家族が勝手に片づけるすごい方法』(PHP研究所)がある。
https://www.karl-3.jp/

写真:カール友波 構成:時政美由紀

ときまさ みゆき

時政 美由紀

1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代...

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