理不尽“PTA”を見極める方法 入会届とポイント制が2大要チェック
ノンフィクションライター・大塚玲子さん「PTAの手引き」#1 ~今さら聞けないPTAって何ですか?~
2022.06.12
ノンフィクションライター・編集者:大塚 玲子
新学期が始まり、年度初の保護者会でPTAの役員決めに出席したパパママも多いのではないでしょうか。
特に新1年生の保護者は、はじめて対面した「PTA」の存在に緊張したり、困惑したりしているかもしれません。
それもそのはず、初心者にはなかなか活動の全容が見えてこないのにもかかわらず、沈黙の役員決めが始まったり、ポイント制などの独自ルールで活動を押し付けられたり……。
そんなPTA初心者の読者に向けて、「令和のPTA」を徹底解剖。PTAの歴史や問題点、退会の仕方や改革の指南まで、これからのPTAのあり方について考えます。
第1回は、2013年頃からPTA関連の取材を続け、2021年11月『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版刊)を上梓したノンフィクションライター・大塚玲子さんにインタビュー。
多くの保護者たちからPTAの事例を取材する大塚さんに、「今さら聞けないPTAって何?」を解説していただきました。
※全6回の1回目
そもそもPTAって何ですか?
小学校入学と同時にわたしたち保護者の前に現れる「PTA」という存在。保護者(P=Parents)と先生(T=Teacher)とが、子どものために協力して活動する組織(A=Association)の略称が「PTA」です。
「PTAは、19世紀にアメリカで生まれたボランティア『母親の会』がもとになったものと言われています。日本にPTAができたのは、戦後からです」(大塚さん)
子どもたちの生活のなかで、PTAはどのような役割を担っているのでしょうか。
「学校によってさまざまですが、PTAの活動は多岐にわたります。学校行事のお手伝いをする活動や、講演会の開催など保護者向けの学びを提供する活動、地域の見守り的要素にくわえて、広報や役員選考の活動などがよくあります」(大塚さん)
PTAの組織体系も、PTAまたは地域によって異なります。一般的には、運営の取りまとめをする「本部」に、各種活動をする「委員」や「係」などが存在します。
「会長、副会長、書記や会計、会計監査などが『PTA本部役員』。
また、講演会などを企画・運営する『文化委員』、翌年の本部役員決めを担う『推薦(選考)委員』、PTA活動の広報をする『広報委員』、保護者の茶話会や行事の手伝いなどをする『学年委員』、地域といっしょに活動する『校外委員』など、各種委員会があります。
ほかに単発の活動として、登校の見守りやパトロール、読み聞かせやお祭りなどをする『係』があるところが多いです」(大塚さん)