産後ママ 腰痛や腱鞘炎など産後トラブルをストレッチで解消!
上田泰子先生 子育てママの心と体がやわらぐストレッチ#1 骨盤の痛みや腱鞘炎
2022.07.06
OKJエアロビックファミリー・22世紀親子からだ育て塾代表:上田 泰子
産前から産後にかけて、ママは自分の体の変化にびっくりすることが多いですよね。
そして、産後の体の調子も戻らぬまま、昼夜問わず赤ちゃんのお世話に追われ、ママは心身ともにトラブルに見舞われることが少なくありません。
そこで、産後ママの体のトラブルを解消する体調改善フィットネスをはじめ、キッズから成人、親子までの運動プログラムの研究・普及を行う『OKJエアロビックファミリー』代表・上田泰子先生に教えていただきました。
上田先生も出産を経て、“寝ても起きてもどこか痛い”という状態を経験してから、「ママの体のケアを大切にしたい」と、教室を始めたと言います。
1回目は、出産でボロボロになった骨盤の痛みや歪み、抱っこで酷使した腕の腱鞘炎を解消したり、予防するストレッチをご紹介します。(全3回の1回目)
2回目はこちら
産後のストレッチはすぐ始めてもOK ただし、驚くほどゆっくりのペースで!
――産後のストレッチですが、まず、いつから始めて良いのでしょうか?
上田泰子先生(以下、上田先生):ストレッチの内容と体調次第ですが、産後でもストレッチはすぐ始めてもOKです。ただし、寝た赤ちゃんを抱っこしたままやるぐらい、ゆったりとしたペースで行ってください。
赤ちゃんが生まれると、ママはついつい自分のことは後回しにしがちですよね。それはもちろん仕方のないことです。
しかし、赤ちゃんのお世話で忙しくて、“今は運動なんて、できない”と思うかもしれませんが、隙間時間におうちで手軽にできるストレッチをすることで、産後の心も体も少しずつ晴れやかになってくると思いますよ。
――産後のストレッチをするときに、気をつけることは何でしょうか?
上田先生:産後はあらゆる“首”が敏感になっています。首、乳首、手首、足首は優しくケアしてあげましょう。
そして必ず体に負担がないように、決して無理はしないようにしましょう。
骨盤の開きや歪みから生じる痛みを和らげる「仰臥位」(ぎょうがい)のストレッチ
では、実際に上田先生にストレッチを教えていただく実践編です。
妊娠中から出産にかけて、ママの骨盤は一時的に大きく開きます。産後しばらくは骨盤周りが緩くなっている状態で歪みが生じ、歩くときに痛みが出たり恥骨結合部に痛みを感じたりするママも。
産後すぐからOKで、帝王切開のママでも痛みが少なく、うつ伏せせずにできる「仰臥位の(ぎょうがい)」の、骨盤周りをケアするストレッチから。
※ストレッチは無理なく、ご自分の体調に応じて行ってください。
【骨盤周りをケアするストレッチ】
1.まずはつま先を立て、足首をぐるぐると回しましょう。反対側も同様に回します。足のむくみの解消にもつながります。
2.足の指でグー・チョキ・パーを作り、指先からほぐしていきましょう。
3.次は、股関節のストレッチ。ももの付け根から脚をゆらゆらと動かします。股関節に手を当ててみて、骨盤の中で脚の骨が動いているのを確認してみましょう。
4.脚を肩幅に開き、膝を立てて腰から脚全体を左右交互にパタンパタンと倒します。10〜20回ほど、たっぷり行ってください。
5.脚を閉じた姿勢でもやってみましょう。
6.両手で膝を抱え、自転車を漕ぐように脚を動かしましょう。膝が胸に当たるぐらい、大きめに動かしてください。
7.左膝を胸に抱え、お尻周りの筋肉を伸ばしましょう。右手で左膝を押さえ、そのまま横に倒します。両腕が一直線になるように、左腕を体の斜め横に伸ばしましょう。左膝と左腕で体を引っ張り合うイメージです。
8.左膝を曲げたまま、左手で押さえながら開き、恥骨周りの筋肉を伸ばしましょう。7の動きを反対側も行います。最後に、右のつま先を右手で持ち、ももの前を伸ばしましょう。反対も同様に行います。
【ストレッチのポイント】
産後は敏感になっているので急な動きは行わず、優しくゆっくり進めてください。足をじっくり伸ばすようにしましょう。
※ストレッチは無理せず、体調に応じて行ってください。
【骨盤周りをケアするストレッチ】を動画でご紹介
骨盤周りをケアするストレッチ
授乳や抱っこによる「腱鞘炎」を改善するストレッチ
毎日の抱っこや授乳時にかかる赤ちゃんの重みは、日に日にママの身体の負荷が増していきます。
産後のホルモンの影響と共に、特に初めての育児の場合、ママ自身が抱っこや授乳時の姿勢に慣れず、体を痛めてしまうこともあるでしょう。
そんな産後に起こりやすい腱鞘炎などによる痛みを軽減するストレッチをご紹介します。
腱鞘炎になったパパもぜひやってみてください。
【腱鞘炎を改善するストレッチ】
1.手首を優しく支えた状態で、ブラブラと振ってほぐします。続いて手のひらをグー・パーと開いたり閉じたりしましょう。
2.指先を身体に向けて手のひらを床につき、腕の裏側を伸ばします。楽な姿勢で急に伸ばさず、少しずつ体重を乗せていくようにしましょう。
3.続いて、手の甲を床につけ腕の表側を伸ばします。小指や親指側からなど、いろいろな方向から腕を伸ばしてみましょう。
4.次は肩をほぐすストレッチです。鎖骨の下にあるくぼみに指を乗せ、肩をゆっくりと回します。腕の付け根あたりを押さえながら、腕を前後にひねります。
続いて、肩甲骨の下にあるくぼみを押さえながら、腕を前後に振りましょう。反対側も行います。
5.腕の外側を床につき、反対の腕を使ってひじの内側から手首の内側をほぐします。ステンレスボトルやラップの芯など筒状のものを両腕の外側にあて、ひじから手首までコロコロと転がします。両側・片側と行い、腕全体の筋膜をほぐしていきましょう。
【ストレッチのポイント】
手首は肩やひじと筋肉でつながっているので、肩から腕を全体的に整えてあげるとよいでしょう。
※ストレッチは無理せず、体調に応じて行ってください。
【腱鞘炎を改善するストレッチ】を動画でご紹介