【生理の貧困】月経は恥ずかしいこと?元・養護教諭が語る「子どもへの支援」

誰もが生理用品にアクセスしやすい社会になるには #2

性教育講師・思春期保健相談士:にじいろ

「生理の貧困」が社会問題として注目されている。子どもたちの心と体を守るためには何が必要なのか(写真 アフロ)

金銭面での困窮や経済的DV・ネグレクトなどの理由で、月経中に必要な生理用品を購入できない「生理の貧困」が社会問題として注目されている。

月経が始まる年齢は10~15歳ごろ。小・中学生のうちに多くの児童が初潮(初めての生理)を迎える。若年層への支援は何が必要で、学校現場ではどんな対応が望まれるのか。

「学校でのナプキン常備」望む声も、メーカーは「奨学ナプキン」を開始

Z世代1228人への生理アンケート(2021年:TBSラジオ調べ)では、「生理で困ったことはあるか」の質問に、1位「学校や外出先で急に生理が来た 」と321人が回答。2位は「漏れ」、3位は「お金がかかる」、4位は「学校などでトイレへ持っていく際、周囲の目が気になる」だった。また、学校でのナプキン常備を求める声も寄せられた。

コロナ禍を機に「生理の貧困」問題も、より注目されるようになった。国内ではメーカーによる支援活動も始まっている。

2022年4月7日に「エリエール」で知られる大王製紙が、学生向けに生理用ナプキン1年分を無償でサポートする「奨学ナプキン」をスタート。生理用品の入手に困る学生を支援する。(詳細、コラム参照)

「生理の貧困」大人ができるサポートは

このような社会状況の中で、私たち大人は何ができるのか。元・養護教諭(保健の先生)で現在は性教育講師・思春期保健相談士として活躍するにじいろ氏が「子どもたちの心と体を守るため、大人(=社会)がとるべきアクション」について提言。

性にまつわる教育は「健康教育・安全教育・人権教育」と語るにじいろ氏だが、高校で勤務していた頃について「振り返ると申し訳ない気持ちになる」と明かす。

その背景には、生理用品の入手に困っていた子どもの時代の体験や、「生理は恥ずかしいこと」と無意識のバイアスに囚われていた過去があったーー。

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