2021.04.26

教育費は時間をかけてコツコツと! 貯め方を知ることが近道

ファイナンシャルプランナー・竹下さくらさんインタビュー 第2回

ファイナンシャルプランナー:竹下 さくら

ファイナンシャルプランナー・竹下さくらさんに子育て中のお金について教えてもらうインタビュー。第1回では、幼稚園・保育園~大学までのかかる金額と、小学校入学前までが一番、貯蓄のタイミングであるということを教えてもらいました。第2回では、「教育費を貯める方法」について教えてもらいます。

なごみFP事務所ファイナンシャルプランナー・竹下さくらさん
撮影 森﨑一寿美

「教育」「マイホーム」「老後」が人生の三大資金

子どもが生まれると教育費はもちろんですが、家族が増えたことでマイホームについて考えるお父さん、お母さんも多いと思います。実際、竹下先生のところへマイホーム資金の相談に来るご家族も多く、教育費とマイホームは切っては切れない関係にあると言います。

竹下「コロナ禍になってから”教育費に支障が出ないマイホームの金額を計算してほしい”という相談が増えました。すでにお子さんがいる方だけではなく、マタニティ期のカップルからもこの相談は多いです。また”コロナ禍で在宅勤務になり、家が手狭になったので、見学に行ったらそのまま買うことになった”という方もいらっしゃいました。貯金も十分ないし、教育費の計画もしていないから家計自体を見直せざるを得ない。そんなパターンも最近では多いですね。

ちなみに”教育資金”、”マイホーム資金”、”老後資金”が人生の三大資金です。収入は大きく変わるわけではないので、なにかにかけすぎれば他を縮小するしかありません。また、最近では時間の問題も大きく関わってきます。以前なら子どもを生んでから家を購入し、教育費が終わったところで老後資金を貯める、という流れでしたが、現在は晩婚化が進み、教育資金とマイホーム資金を同時に用意しつつ、さらに老後資金も準備しないといけない。トリプルパンチの状況なのです」

貯めようと思ったら毎月の貯蓄額を決めて、コツコツ貯めること!

高齢出産の場合、教育費をかけすぎると、老後資金が少なくなることがあるということですね。そうならないように、計画的に貯める方法はあるのでしょうか。

竹下「教育資金を貯めると決めたら、貯める仕組みを作り、時間をかけてコツコツと貯めていく。これが王道です。
貯める仕組みは会社の財形貯蓄や自動積立定期預金など、安全で引き出しにくい、または税制が優遇されているものがよいでしょう。第1回目でもお話ししましたが、0歳から2万円を毎月貯蓄。15年で360万円貯まります。こちらに児童手当をすべて貯めたものを加えれば500万円ほどは貯まることになります。

また”思い立ったが吉日”で、貯めようと思ったら教育費用の口座を開くのもいいでしょう。子どもが生まれてしまうとなにかと忙しくなるので、口座作りもマタニティ期にしておきたいことの一つです」

写真:アフロ

収入に対して2割を教育費にするのが理想

竹下「収入に対する割合は、できれば収入の2割を教育資金用にするのが理想です。平均的な家計のデータは、手取りの3割が住居費、2割が食費、水道費・光熱費・通信費が合わせて2割、そしてお小遣いが1割。そうすると残りの2割が教育費へとまわせます。しかしこの2割の中に、被服費や保険料、貯蓄も入ってくるので、その場合は1.5割でもよしとしましょう。実は正直なところ、教育費は1割でもいいんです。とにかく”この金額の中で教育費をやりくりする”と決めてコツコツと続けることがなによりも大事です。その中から高校までの日々の教育費支出や、大学進学時などに備えた積立などを配分する習慣をつけると家計管理がぐっと楽になります。

また、直接の教育資金ではなくても、iDeCOが、教育費に”役立つ”ことをご存じですか? iDeCOは60歳まで引き出せないので老後資金ではありますが、高齢で出産されたご夫婦はiDeCOをやっておいたほうがいいでしょう。
というのも、ダイレクトに住民税を減らしてくれます。住民税を減らせば税金の区分が変わり、保育園料や高校の授業料無償化などの教育費の負担が減るかもしれません。それに節税になりますので、最終的に必ず得をするのです。ただし住宅ローン控除との綱引きになるので、マイホームを10年以内に購入されている方は確認が必要となってきます」

小学生のときは習い事や塾の費用をどこまで”かける”かが重要に

貯蓄の仕組みの作り方はわかりました。では小学校から高校までは家計から教育費をどのように捻出すればよいのでしょうか。

竹下「資料①の”小学生にかかる教育費総額”の内訳をまず見てください。公立小学校の教育費は、給食費を入れて1年あたり約10万円ほど。月にして約8000円です。しかし、一方で学校外活動費が年に20万円以上かかっています。これはいわゆる習い事や塾の費用のこと。第1回でもお話ししましたが、これはいくら”かかる”というより、いくら”かける”かの話です。都市圏では中学受験を経て、私立の中高一貫校に進む教育費のパターンが一般的になっていますが、4年生から6年生まで受験塾に通うと3年間で200万ほどかかります。このように”かける”場合は、平均よりも高額になる点に注意が必要です。

資料①
資料提供:なごみFP事務所

また習い事で月2万だと、例えばスイミング、ピアノ、学習系の通信教育をさせると、だいたいそれぐらいの金額になりますよね。きょうだいがいて、同時期に同じように習い事をさせると費用は倍になります。決して多く習い事をしているわけではないのですが、意外にお金がかかるものです。

費用を抑える方法のひとつは、上の子にお金をかけすぎないこと。前例次第で、下の子のかかり具合が違ってきますから。とはいっても、初めての子どもには、あれもこれもやらせてみたいのが親心。その場合は、習い事の”やめ時”を決めておくことをおススメします。スイミングならクロールができるのが目標、ピアノなら楽譜が読めるようになるのが目標など、こうなったら辞めてもいいという目標を決めておくんです。もし子どもに才能があって続けさせたいなら、本人の希望次第でより得意でやりたい方に絞っていくこともいいと思いますよ」

第3回は「保険を利用する貯め方」について、引き続きファイナンシャルプランナー・竹下さくらさんに教えてもらいます。

取材・文 上坂美穂

たけした さくら

竹下 さくら

ファイナンシャルプランナー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。千葉商科大学大学院(会計ファイナンス研究科、MBA課程)客員教授。またCFP®(国際ライセン...