保育園管理栄養士の秘技! 子どもの好き嫌いが消える「3つの魔法」
YouTube21万人の人気管理栄養士・あおいさん「子どもがパクつく“魔法のレシピ”」#2~好き嫌い解消編~
2022.02.27
管理栄養士:あおい
管理栄養士のあおいさんは、保育園に10年勤務の後、2018年に献立作成会社を起業。
2020年には、レシピを紹介するYouTubeチャンネル「あおいの給食室/子どもと食べる魔法のレシピ」をスタートし、現在(2022年2月)のチャンネル登録者数は、なんと21万人超!
人気の理由は、「あおいさんのレシピだと子どもたちが喜んで食べる」、「野菜嫌いだった子が食べられるようになった」等々。好き嫌いのある子どもたちが一変して食べるようになる、魔法のようなレシピがたくさんあるからです。
その“魔法”とは一体どういうものなのか、ご紹介します。
全4回の2回目。#1を読む。
「コレ嫌い」が瞬時になくなる!?
あおいさんのYouTubeチャンネルやレシピ本でもよく使われているのが“魔法”という言葉。あおいさんは、子どもが食べられるようになるのは「“魔法”があるから」と言います。今回は、そんな“魔法”のタネ明かしをしていただきましょう。
「子どもの好き嫌いや偏食を、長期戦と捉えている親御さんは多いですよね。『小さい子だから野菜は食べられなくて当然』とか、『成長の過程でいつか克服できるはず』などと思ってあきらめていませんか?
実は、そうじゃないんです。こちらの工夫次第で、子どもって一瞬にして食べられるようになるものなんですよ。
だから私のレシピには『魔法のごはん』と名付けています。一度好きになればもうこっちのもの! だからです」(あおいさん)
【魔法その1】野菜はよ〜く“加熱”すべし!
「YouTubeを始めてから、みなさんのコメントを読んでみて『こんな小さなコツに喜んでくださるんだ!』というのを知りました。
なかでも、『これまで意識したことがなかった』、『そんなの知らなかった』と驚かれることが多かったのが、野菜をしっかりと加熱すること。
みなさん、しっかり加熱しているつもりでも、私にとっては『それじゃ足りないよ〜』という感じです(笑)」(あおいさん)
そこまで加熱にこだわるのは、「野菜は本当によく炒めないと、食感が残るし、苦味とえぐみが目立ってしまうから」とあおいさんは言います。この苦味やえぐみが、子どもたちが野菜を遠ざけてしまう大きな原因になるのです。
「野菜をよ〜く炒めると水分が減って、うまみが凝縮して味が濃くなるんです。そうすると、少ない調味料で、味がしっかりつきます。
さっと炒めただけだと、野菜のうまみや甘みが濃縮されないので、どんどん調味料を追加してしまい、塩分も多めに……。
しっかり炒めるのは、食べやすくなるという点にくわえて、薄味でも美味しく味をまとめられるコツでもあるんですよ」(あおいさん)
あおいさんのレシピをよくよく見ると、「こんな食材まで加熱するの!?」というものも。
「きゅうりも湯通しすると、青臭さなどが消えて食べやすくなりますよ。野菜だけでなく、ハムなども使う前にちょっと湯通しします。
そうすることで食材を柔らかく、味馴染みしやすくする効果もあるんです。塩分控えめの味付けでも美味しく仕上がるので、高齢者向けにも使える魔法ですね」(あおいさん)
【魔法その2】見て慣れる“サイクル献立”を活用すべし!
「おうちで食卓に並べたものをお子さんが食べなかった場合、その料理をもう一度出そうという親御さんは少ないと思います。でも、『食べなかったから出さない』って、実は逆効果なんですよ」(あおいさん)
子どもは新しい料理に敏感。一度食べなくても、何度か出してみることが大事だと、あおいさんは力説します。これには、しっかりとした理由があるのです。
「保育園では《サイクル献立》という呼び方で、2週間同じ献立を繰り返すんです。1週目に食べたものは、3週目にまた登場する。子どもたちは、月に2回、同じものを食べていることになります。
サイクル献立の目的は、繰り返し出すことで、苦手意識をなくすこと。新しい料理に対して、抵抗感を低くすることができます。
実際に、一回目は食べなかったけれど、二回目からはたくさん食べるようになったという例も多いです」(あおいさん)
新しい食べ物を嫌がる・ためらうのは人間の本能でもあるので、繰り返し出して、「これは食べても大丈夫」と、伝えて続ける方が良いとあおいさんは言います。
「ご家庭でこそ、サイクル献立を積極的に活用してほしいです。安心しているおうちの食卓で、いろんなものを食べられる経験を増やすのが大事ですから」(あおいさん)
でも、同じ料理ばっかり出すと、子どもから「またこれか」、「今日も同じメニューだ」って思われませんか?
「それが案外、食べている側は忘れているものなんですよ(笑)。そういう風に考えると、作っている側も一気に気持ちが楽になりませんか?
料理のレパートリーって、そんなに増やす必要はないんです。ぜひ、同じものを出してほしい。お母さんのストレスや負担軽減にもなるから、サイクル献立のことを多くの方に知っていただきたいところです」(あおいさん)