人気管理栄養士あおい 悩まない「子どもの献立決めの法則」

YouTube21万人の人気管理栄養士・あおいさん「子どもがパクつく“魔法のレシピ”」#1~献立決め編~

管理栄養士:あおい

保育園管理栄養士のあおいさん。公式YouTubeチャンネル「あおいの給食室/子どもと食べる魔法のレシピ」は登録者21万人と大人気。 写真提供:ワニブックス
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栄養バランスに優れ、子どもたちの健康を考えて作られている保育園給食。「家では少食だけど給食はよく食べる」、「保育園では好き嫌いを言わない」という声もよく聞きます。給食とおうちのごはんは、どう違うのでしょうか。

あおいさんは、大学卒業後の2008年、保育園の管理栄養士として就職。給食の献立、カロリー計算、予算配分、食材調達、そして実際の調理まで、すべてを担当していました。

2018年に独立し、献立作成会社を設立。そして、今や登録者数21万人超の人気チャンネル「あおいの給食室 / 子どもと食べる魔法のレシピ」を運営するYouTuberでもあります。

こちらでは、保育園給食や子どもの食に携わるあおいさんに、子どもたちが楽しくパクパク食べるようになる「魔法のレシピ」の秘密を聞きました。

第1回目は、毎日の献立作りが劇的に楽になる「ある法則」を公開します。
全4回の1回目。

保育園勤務の管理栄養士が「人気YouTuber」になるまで

あおいさんは、現在、管理栄養士がいない保育園に向けて、リモートで献立作成を請け負う仕事をしています。

「調理師はいるものの、管理栄養士がいないという保育園は多々あり、その場合、毎日の給食の献立は、調理師や保育士が決めていることが多いんです。でも、みなさん他の業務の間に大変だし、献立作成が専門分野ではないですよね。

当時、保育園向けのリモート献立作成業務は誰もやっていなかったので、絶対に需要があるはずだと思いました」(あおいさん)

2018年に会社を立ち上げると、全国で60園ほどの献立作成業務を行うまでになりました。それにくわえて、実際に提携する保育園へも足を運び、保護者向けの食育講座なども開催しました。

「でも、2020年からはコロナの影響があり、なかなか現場に行って、人と会って話をすることが難しくなりました。そこで2020年の6月に、YouTubeチャンネルを開設したんです。

最初は、現場で働く調理師さん向けに『こういう風に作るんですよ』と、実際の調理を動画で見せようと思ったんです」(あおいさん)

YouTubeチャンネル開設後、あおいさんのレシピ動画はすぐに話題に。想像以上の反響があったと言います。

「2020年の11月にアップした、『キャベツたっぷりメンチカツ』の動画が急にバズったんですね。この動画で、1日に4000人、5000人と、視聴者数が伸びていって……。これにはすごく驚きました。

こちらが「突如バズった」あおいさんの看板レシピ・メンチカツ! 「キャベツたっぷり、子どもたちに大人気のメニューです」(あおいさん)。 写真提供:ワニブックス

キャベツたっぷり!食物繊維が摂れる保育園の給食レシピ「キャベツメンチカツ」の作り方

ふたをあけてみると、保育園関係者だけでなくて、いろいろな方が見てくれていたんです。主婦の方や、管理栄養士を目指す学生さん、あとは高齢者のご家族の方からなど、たくさんの方から評価をいただきました」(あおいさん)

献立作りにみんな困っていると気づいた

YouTubeでは白衣と帽子をかぶり、給食のおねえさん姿で元気に解説するあおいさん。

「こうすることで子どもたちがより食べやすくなる」、「ここに気をつけておかないと、あとで失敗をするかも」、「保育園の場合はこう作ります。ご家庭ではこうしてみましょう」など、小さな工夫や注意点を取りこぼすことなく、とても丁寧に説明しています。

「子どもたちが美味しくたくさん食べるようになる工夫や味付け、作る側も楽しく料理をするコツは、保育園の管理栄養士時代に経験してきたもの。案外知られていないことが多いみたいで、小さなポイントがとても喜ばれます」(あおいさん)

視聴者の意見をすぐに反映させるのもあおいさんが人気の秘密です。コメントを読み込むうちに、献立に関する、ある相談や質問が多く寄せられることに気づいたと言います。

「じつは保育園の現場で保護者の方の悩みを聞いていたときも、視聴者からの質問を受け付けたときも、とくに『副菜って何を作ればいいですか』という声が圧倒的に多かったんです。

料理を作るのはもちろん大変ですが、それ以前に献立を考えること自体が結構難しいし、ストレスなんですよね。なんとかしたいと思いました」(あおいさん)

なんと、2021年10月に第一子を出産したばかりのあおいさん。最近の動画では、ご主人&お子さんとともに出演していることも。 Zoom取材にて

主菜を決めたら自ずと答えが出る

そこで、あおいさんが考えたのが「チャート式献立作成法」です。

「まず、主菜を決めます。主菜はたんぱく質が摂れるもので、肉・魚・大豆・卵の4種類。ご家庭だと、調理のしやすい肉や魚などの食材がメインになりがちですが、偏らないようにこの4つをローテーションで回していきます」(あおいさん)

ちなみに、給食の献立は1ヵ月スパンで栄養バランスを整えて決めますが、家庭の場合はもうすこしこまめに、1週間単位くらいで考えていくのがおすすめだと言います。

「主菜を決めたら、次は副菜を考えましょう。主菜と副菜は、①調理法、②味付け、③食感、④温度、この4つが重ならないようにするのが大事です。ひとつずつ確認していきますね。

調理法には、焼く、煮る、蒸す、揚げる、茹でる、があります。例えば、主菜が唐揚げ(揚げる)なのに、副菜がフライドポテト(揚げる)だと脂質が偏ってしまいます。逆に、主菜も副菜も茹でたものだと脂質は足りなくなり、栄養のバランスは悪いですね」(あおいさん)

主菜が「肉じゃが(煮る)」の日は、副菜は「切干大根のマヨサラダ(茹でる)」。「切り干し大根は煮物のイメージがありますが、マヨネーズで和えてサラダにするのもおすすめ」(あおいさん)。 写真提供:ワニブックス
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