「その症状は食中毒!」細菌別の原因と症状を現役小児科医が解説!

現役小児科医テルの「子どもの救急相談室」#29

小児科医:小児科医 テル

イラスト:原あいみ
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テル先生は総合病院に勤務する18年目の現役小児科医。子どもがかかりやすい病気や注意したい事故・身の回りの危険、気になる子どもの発達など、子どもの「もしも!」に備えるママパパ必見のヘルスケア情報をご紹介します。

今回は、「食中毒」の症状を細菌別に解説します。

「食中毒」とは

食中毒は、食品、器具または容器・包装、調理人の不注意などが原因で起こる中毒です。細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などさまざまあり、食べてから症状が出るまでの期間やその症状が異なります。

原因は80%以上が細菌性で、細菌あるいは細菌が産生した毒素を含む食品を食べることによって発生します。

【O-157などの病原性大腸菌】

【感染源】ユッケ、牛肉、レバ刺し、ハンバーグ、サラダ、井戸水など。

【症状】激しい腹痛、嘔吐、下痢、血便など。子どもや高齢者は重症化する場合があります。

O-157は、主に牛の腸内に生息している細菌です。全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わる場合もありますが、子どもや高齢者が感染すると、腎機能や神経学的障害などの後遺症を残す可能性もあります。

【カンピロバクター】

【感染源】食肉(特に鶏肉)、飲料水、生野菜。

【症状】下痢、腹痛、発熱、悪心、 嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感。

子どもや高齢者は重症化する危険性もあります。 また、感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合もあります。

【ブドウ球菌】

【感染源】手指に傷がある人間が素手で調理を行うと、菌が食品などに付着し、繁殖します。

【症状】悪心、嘔吐、下痢など。

にぎりめし、寿司、肉、卵、乳などの調理加工品、菓子類など、さまざまな食品が原因食となる可能性があります。

【腸炎ビブリオ】

【感染源】魚介類。刺身やすし類が代表的です。生の魚介類を調理した後、調理器具や手指などを介して二次汚染された食品でも食中毒が発生します。

【症状】激しい腹痛、下痢、発熱、はき気、嘔吐を起こす場合もあります。

【サルモネラ】

【感染源】卵(加工品を含む)、食肉調理品(特に鶏肉)、うなぎやスッポン、また、ネズミやペット動物を介して食品を汚染する場合もあります。

【症状】腹痛、下痢、おう吐、発熱(38℃~40℃)。

鶏、豚、牛などの動物の腸管や河川、下水など自然界に広く分布しています。汚染を受けた食品の摂取により起こり、高熱を発するのが特徴です。

【ノロウイルス】

【感染源】感染者のふん便や吐ぶつからの飛沫感染、カキなど汚染された二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合、ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合など、原因はさまざまです。

【症状】嘔吐、下痢、腹痛。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。子どもや高齢者は重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせる危険性があります。ノロウイルスはアルコール消毒がきかず、しっかりと石鹼+手洗いが有効です。
手にはさまざまな雑菌が付着しており、手洗いはとても大切な食中毒予防法の一つです。親子で手洗いを心がけましょう!
記事監修:小児科医テル
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しょうにかい てる

小児科医 テル

Shonikai Teru
小児科専門医

総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU

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げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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