「たくさん飲む」「たくさんオシッコが出る」多飲・多尿に潜む病気【現役小児科医による救急相談室】

おしっこが病気のサイン? 現役小児科医テルの「子どもの救急相談室」#21

小児科医:小児科医 テル

イラスト:原あいみ
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テル先生は総合病院に勤務する18年目の現役小児科医。子どもがかかりやすい病気や注意したい事故・身の回りの危険、気になる子どもの発達など、子どもの「もしも!」に備えるママパパ必見のヘルスケア情報をご紹介します。
暑くなってくるとお子さんが「のどが渇いた」「なにか飲みたい」と頻繁に水分をほしがることもあると思いますが、「たくさん飲む」「たくさんオシッコが出る」という当たり前の現状は、病気のサインの可能性もあります。今回は多飲・多尿について解説します。

頻尿、多飲・多尿とは?

飲み物をたくさん飲めば、尿量も増えトイレの回数は増えます。膀胱や尿路といった臓器に異常がなくとも、水分をたくさん取ると尿意を感じる回数は増えていきます。

子どもの排尿回数
1~2歳:2時間おき、1日に8~12回。
3~4歳:3時間おき、1日に5~9回。
4歳以降:3~6時間おき、1日に4~8回。

多飲・多尿とは、水を飲まずにいられず、尿が多くなっている状態です。

乳幼児 400ミリリットル/kg
小児 1日2リットル以上
成人 1日3リットル以上 の尿がある場合、多尿となります。

どんな病気の可能性がある?

【糖尿病】
体内のブドウ糖濃度が高くなり、尿にブドウ糖を多く排出するようになります。体の水分といっしょに排出するので尿の量や回数が増え、のどが乾きます。活動的ではなく疲れやすくなります。また、体重が減少することもあります。

子どもで緊急性が高いのは1型糖尿病です。自分の免疫が原因で膵臓の細胞が壊れてしまいます。食事内容や生活習慣とは関係なく、突然おきる病気です。肥満など生活習慣と関連しておきるのは「2型糖尿病」。2型糖尿病になる子どもも増えています。

【尿崩症】
腎臓で尿を濃縮できない病気。うすい尿がたくさん出ます。尿を調整するホルモンが関係しています。水を飲むことで体内の水分・ミネラルバランスを保っています。水を飲むのをやめさせないようにしましょう。

多飲・多尿かも?と感じたら

水を飲むことをやめさせると体のバランスがこわれるので、無理に飲む量、飲む回数は減らさないでください。糖尿病も、尿崩症も専門医の診断が必要になります。まずはかかりつけ医に相談してください。
記事監修:小児科医テル 写真提供:aijiro/PIXTA(ピクスタ)
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しょうにかい てる

小児科医 テル

Shonikai Teru
小児科専門医

総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU

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げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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