子どもの熱中症の応急処置「この症状、救急車を呼ぶべき?」【現役小児科医による救急相談室】

現役小児科医テルの「子どもの救急相談室」#28

小児科医:小児科医 テル

イラスト:原あいみ
テル先生は総合病院に勤務する18年目の現役小児科医。子どもがかかりやすい病気や注意したい事故・身の回りの危険、気になる子どもの発達など、子どもの「もしも!」に備えるママパパ必見のヘルスケア情報をご紹介します。

今回は「熱中症の応急処置・治療」について。正しい水の飲ませ方や、救急車をよぶべき状態を解説します。
子どもは、自分で熱中症だと気づくことが困難です。大事にはいたらなくても、治療が必要になる場合があります。症状にいち早く気づき、対処しましょう。

熱中症は、症状によって重症度が3つに分類されます。

Ⅰ度:軽症(大量の発汗、こむらがえり、たちくらみ)

Ⅱ度:中等症(頭痛、嘔吐、倦怠感)

Ⅲ度:重症(意識障害、臓器障害)


Ⅱ度以上は医療機関での受診が必要です。

【避難】涼しい場所へ

エアコンが効いている室内や風通しのよい日陰など、涼しい場所に避難させましょう。

【体を冷やす】

衣服をゆるめ、体の熱を外に逃がします。氷のう(氷をビニール袋に入れたものでもOK)や水枕、保冷剤などで、体を冷やします。体に直接水をかけることも効果的です。

冷やす場所:特に首の周り、脇の下、足の付け根など

【水分補給】

水分・スポーツドリンクなどを補給します。大量に発汗している場合は、塩分の入ったスポーツドリンクや経口補水液を飲みましょう。水200mlに塩ひとつまみ(約0.2g)が目安です。

甘いジュースは、糖分の摂りすぎにつながります。飲む頻度や量に気をつけましょう。

自力で水が飲めない、意識がない場合は救急車!

めまいや失神、大量の発汗、頭痛、吐き気など、熱中症の症状はさまざまです。

呼びかけに応じられる場合は涼しい場所に移動させて、水分を補給して体を冷やします。

名前を呼んだり、肩をたたくなどしても反応がない場合、まっすぐ歩けない場合は、ためらわず救急車を呼びましょう。この際、無理に水は飲ませず、氷のうなどで体を冷やして救急車の到着を待ちます
親御さんは外で元気に遊ばせたい気持ちもあるかと思いますが、お子さんの熱中症対策や処置を心がけながら、無理な屋外活動は避け、夏を元気に過ごしましょう。
記事監修:小児科医テル
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しょうにかい てる

小児科医 テル

Shonikai Teru
小児科専門医

総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU

総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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