すべての恐竜に羽毛があった!? クリンダドロメウスの発見!

ロシアのシベリア南東部で、約1億6000万年前のジュラ紀の地層から、新種の恐竜が発見されました。
全長1.5mほどの、2本あしで歩いていた植物食恐竜で、『クリンダドロメウス(クリンダ(地名)のランナー)』と名づけられました。
クリンダドロメウスの化石を分析したところ、尾や後ろあしにはうろこがあり、頭や胴体は、長さ1cmほどのいろんなタイプの羽毛のようなものにおおわれていたことがわかりました。
その羽毛は、ディロングのような「獣脚類(じゅうきゃくるい)」にみられる原羽毛のようなものでした。
しかし、クリンダドロメウスは「獣脚類」ではなく、『鳥盤類』のなかまです。
これまでにみつかっている羽毛恐竜のほとんどは「獣脚類」であり、クリンダドロメウスのような『鳥盤類』から羽毛がみつかったのは、今回がはじめてです。

『鳥盤類』と「獣脚類」は、進化の初期の段階でわかれています。
それにもかかわらず、『鳥盤類』であるクリンダドロメウスの羽毛と、「獣脚類」であるディロングの羽毛が、共通の祖先に由来があることから、羽毛の起源は、さらにさかのぼることが確実になりました。

この発見によって、「獣脚類」だけでなく、『鳥盤類』もふくめた、すべての恐竜が羽毛を持っていた可能性がでてきました。



Q.『鳥盤類』・「獣脚類」ってなに?

A.恐竜は、進化の初期の段階で、『鳥盤類』と『竜盤類』の2つの大きなグループにわかれました。
クリンダドロメウスは『鳥盤類』に、ディロングのような「獣脚類」は『竜盤類』に属します。

『鳥盤類』は、基本的に植物食で、四本足で歩くものと二足歩行をするものがいます。
「獣脚類」は大部分が肉食性で、二足歩行をします。
『鳥盤類』と『竜盤類』の2つのグループは、骨盤のかたちのちがいで分類されます。
『鳥盤類』は鳥類の骨盤に、『竜盤類』はとかげ型の骨盤に似ていることから、このような分類名がつけられました。
■関連:「恐竜」20-23ページ、162-163ページ