リュウグウノツカイを食べてみたら…!?
(EX MOVE 深海の生きもの)P28に関連
2017.06.09
細長い銀色の体に、あざやかな赤いひれをもつ深海魚のリュウグウノツカイ。
昔の人々はこの魚を見て人魚とかんちがいしたとも言われています。
とてもめずらしい魚ですが、ときどき日本海の沿岸などに打ち上げられることがあります。
EX MOVE『深海の生きもの』監修者の尼岡邦夫先生は、北海道の海岸に打ち上げられた傷ついたリュウグウノツカイを、お刺身や煮付けにして食べたことがあるそうです。
めったにとれない伝説の魚と言われるくらいだから、さぞおいしいのかと思いきや…
身にしまりがなくて水っぽく、まるで魚とは思えないような食感で、あまりおいしくなかったといいます。
一般的に、よく泳ぐ魚はおいしいと言われます。
お寿司屋さんのメニューにある「えんがわ」は、ヒラメの背びれとしりびれの付け根の部分です。身がしまっていてうまみと歯ごたえがあり、人気の食材です。
泳ぐときにひれを動かすので筋肉がよく発達し、身がしまるのです。
また、目の下にあるあごを動かす筋肉もたえず使っているので硬くておいしいです。
その点、リュウグウノツカイはあまり活発に泳ぐ魚ではありません。
ふだんは体を45度くらいかたむけた立ち泳ぎの姿勢で、暖流という暖かい海水の流れにのって移動しています。
身がやわらかくて水っぽいのは、体を軽くするためです。あまり筋肉が発達していないことも理由のひとつかもしれません。
いっぽう、非常においしい深海生物もたくさんいます。
高級食材として知られるズワイガニやアカザエビも深海生物です。
お祝いの席などでよく食べられるキンメダイも、昼間は水深数百mの深海にくらしている魚です。
沖縄では、リュウグウノツカイと同じグループのアカマンボウという深海魚がスーパーでよく売られていて、身は味も見た目もマグロによく似ておいしいといいます。
みなさんも知らないうちに、いろんな深海生物を食べているかもしれません。