メフィラス先生と「無重力」の世界へ! 話題の本を試し読み! 

ウルトラマン×基礎宇宙論=最良の科学入門書! 『ウルトラマンと学ぶ 宇宙と生命体』(高水裕一著)の1チャプターを連載形式でまるっと紹介!

テレビマガジン編集部

ウルトラマン×基礎宇宙論=最良の科学入門書! 『ウルトラマンと学ぶ 宇宙と生命体』(高水裕一著)の1チャプターを連載形式でまるっと紹介! 宇宙ガチャ」なるマシン(筐体)から出てくるヒーローや宇宙人、ときには怪獣(?)が講師役! 本書に登場する講師は次の13体です。
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第1章 光と宇宙 ―基礎科学編―
ウルトラマン、メフィラス星人、ペガッサ星人、ペダン星人、ウーラー、ゴドラ星人、ガンQ、ダダ、アンチマター

第2章 生命 ―空想科学編―
ウルトラマンキング、ウルトラマントリガー、ソリチュラ、ウルトラセブン
生徒として講義に参加する「あなた」は、サポート役のメトロン星人マルゥルとともに、宇宙の仕組みやナゾに迫ります。

しかし、講師の中には規格外の輩もいて、授業はハチャメチャ! そして、サポート役のマルゥルは口が悪い!
 
今回はメフィラス星人のチャプターを紹介。「あなた」は悪戦苦闘をしながら、宇宙への知見を深めることに……。
▲「オレ様になんでも聞きな!」サポート役のマルゥル  イラスト/水谷謙太  ©円谷プロ

メフィラス星人と「無重力」を学ぼう!

今回のガチャから出てきたカプセルは、黒い色合いのもので、とくに空中にふわふわと浮かんでいる特殊なもののようです。

そこから登場したのは、やはり黒い色合いの宇宙人です。

「やあ、私はメフィラス星人。地球はとても美しい星だね。」とあいさつされました。

「それはどうも……。」

 地球のことを褒められて、あなたは少しうれしい気持ちになりました。

「気をつけろよ。」マルゥルが小さな声で耳打ちをします。「あいつは昔、少年を誘拐して無重力ルームに閉じ込めたことがあるんだぞ。すっげー悪質な宇宙人なんだ。」

「おやおや、ひどい言い方ですね。紳士的な私に対して。」

「えつ、聞こえたの、俺サマの声?」マルゥルが目を丸くしました。

「いやいや……。私はテレパシーを使っただけだ。君の心はお見通し。まあ、それはいいとして……。」
©円谷プロ

そもそも「無重力」とは?

今回は宇宙の基本である、無重力について学んでもらおうと思います。

宇宙にいくためには、ロケットに乗って地球を出る必要があります。これまでは限られた宇宙飛行士だけでしたが、近年、ロケット開発の技術が進み、普通の人たちでも気軽に宇宙にいける時代が来つつあります。

とくに2021年7月には、アマゾンという会社のベゾス会長が、数人の一般人とともに宇宙空間にロケット飛行しました。宇宙は、これまでのように一部の優秀な宇宙飛行士だけが体験する世界ではなくなっているのです。

そんな未来を生きるあなたたちには、ぜひこの宇宙空間が一体どんな場所なのか、それをまずは知ってもらう必要があります。

宇宙が無重力だということは聞いたことがあるでしょうか。地上で、ジャンプすると必ず地面に落ちてきます。この落ちる力は、重力とよばれ、地球があなたの体を引っ張っているために起こります。

しかし地球から離れると、この重力がほとんど効かなくなり、無重力状態になるのです。ジェットコースターに乗ったことがある人は、落下中のふわっと浮いた状態を思い浮かべてください。

「もういちど、これを見てもらおう。」

メフィラス星人は、今回のカプセルを指さしました。それは、ふわふわと浮いていて無重力状態のようです。

国際宇宙ステーション(ISS)という施設が、宇宙空間にありますね。ここがまず宇宙空間として、すぐにイメージできる場所ですが、どれくらい地球から離れたところにあるか知っていますか?
次のページへ どれだけ離れている? その答えは……
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