『帰ってきたウルトラマン』は人間味あふれるヒーロードラマ!

『講談社MOOK ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』よりぬきコラム【第4回】

テレビマガジン編集部

きら星のごとく輝く傑作ぞろいのウルトラマンシリーズの誕生の秘密を解き明かすムック『ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』から、テレビシリーズ1作品ずつその魅力をお伝えしましょう。

今回は『ウルトラセブン』(1967年~1968年)終了から約2年半のインターバルをおいて復活したウルトラマンシリーズ、『帰ってきたウルトラマン』(1971年)です。
ウルトラブレスレットを変形させて、天にかざすウルトラマンジャック。  ©円谷プロ PHOTO/講談社

未来に向けてのみごとな布石が次々と!

『帰ってきたウルトラマン』は当初の企画では、まさにあの"初代"ウルトラマンが帰ってくるという設定でしたが、企画が進むにつれて帰ってくるのは新たなウルトラマン(後にウルトラマンジャックと呼ばれます)になりました。

そしてピンチのときにはウルトラマンやウルトラセブンも駆けつけることで、結果として『ウルトラマンA』で確立されることになる「ウルトラ兄弟」に向けての布石となりました。

また後の作品にも継承された要素として、ウルトラセブンから与えられた万能武器・ウルトラブレスレットを忘れてはなりません。

敵の能力にあわせて自在に姿を変えるアイテムは人気となり、こうしたオリジナル武器は今に至るまでウルトラヒーローの定番アイテムとなっています。

見ごたえのあるドラマが展開される!

第37・38話の悲劇を招いた、暗殺宇宙人ナックル星人と用心棒怪獣ブラックキングとの死闘!  ©円谷プロ PHOTO/講談社
さらに『帰ってきたウルトラマン』ファンから「11月の傑作群」と呼ばれる宇宙怪人ゼラン星人戦、変幻怪獣キングマイマイ戦、巨大魚怪獣ムルチ戦、合性怪獣レオゴン戦、加えて12月初週放送の光怪獣プリズ魔戦が描かれたエピソードは、いずれも重厚なドラマが光る異色作にして、迫力の特撮シーンが盛り上げる、まさに傑作ぞろいになっています。

また作品全般を通して、変身者である郷 秀樹の私生活がたっぷりと描かれたのも新鮮で、レーサーを目指し、家族のような人々に囲まれて過ごす郷の姿は、プライベートでも隊員たちと過ごす時間が多かった今までの主人公たちとは一線を画すものでした。

それだけに第37・38話の悲劇的なストーリーはショッキングでしたが、郷とウルトラマンが身も心も一体なのは弱点でもあることを明確に表すエピソードとなりました。

さらにその郷が所属する防衛チームであるMAT〈マット〉が、完璧な一枚岩ではないリアルな組織で、人間味あふれる感情により対立することがあっても、最終的には信頼で結ばれていく姿は、心に響くものとなっていました。

『Qからシン・マンまで』でウルトラマンシリーズ史をチェック

『講談社MOOK ULTRAMAN HYSTORICA ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』では、『ウルトラQ』から『ウルトラマントリガー』までのウルトラマンシリーズと、『シン・ウルトラマン』を深掘りすることで、ウルトラマンシリーズの歴史を追った1冊です。

ウルトラマンシリーズを観るときのお供として、ウルトラヒストリーを振りかえるテキストとして、ぜひチェックしてみてください。
『講談社MOOK ULTRAMAN HYSTORICA ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』(税込定価:1980円)発売中!

ウルトラサブスク「TSUBURAYA IMAGINATION」は『帰ってきたウルトラマン』をはじめ、ウルトラマンシリーズが見放題になる動画配信サービスです。

てれびまがじんへんしゅうぶ

テレビマガジン編集部

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga