渋谷で戦う3DCGの等身大「ULTRAMAN」が最高にリアルな理由

アニメ『ULTRAMAN』の魅力!

テレビマガジン編集部

ヨロイをまとったウルトラマン?

胸のスペシウムコア(カラータイマー)と全身のカラーリングがオリジナルを彷彿させるウルトラマンスーツ  ©円谷プロ ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

2011年、『月刊ヒーローズ』誌上で連載が開始された清水栄一・原作、下口智裕・作画によるコミック『ULTRAMAN』の登場は、多くのウルトラマンファンを驚かせました。

その主役たるウルトラマンの姿がそれまでのウルトラマン像とはまったく異なっていたからです。

全身硬質の鎧をまとったあたかもアメコミヒーローが着るアーマードスーツのような容姿であり、ウルトラマン像の固定観念は覆されたのです。  

また、本作のウルトラマンは等身大のヒーローとなっていました。

巨大ヒーローの代名詞だったウルトラマンの定義そのものも覆された形です。

ウルトラマンのオールドファンにとっては戸惑うばかりの設定でしたが、それまでの常識をリセットすることで、新時代にふさわしい、新たな『ウルトラマン』を作り上げようとする創作意欲を感じさせてくれました。

『ULTRAMAN』そのストーリー

特殊な力をもって生まれた早田進次郎(左)と、かつてウルトラマンと同化していた父、早田 進  ©円谷プロ ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

物語の舞台はかつて〈光の巨人〉と呼ばれる存在がいた世界。

光の巨人がその役目を終えて地球を去ってから時が経ち、地球は再び異星人の脅威にさらされようとしていました。  

一方、青春を謳歌する高校生の早田進次郎は、自分が驚異的な身体能力をもっていることを自覚します。

そんなある日、進次郎は元・科学特捜隊員だった父、早田 進が、かつてウルトラマンと同化していた事実を知ります。

〈ウルトラマンの因子〉をもつ進次郎は、秘密裏に活動を続けていた科学特捜隊の井手によって開発されたウルトラマンスーツの適合者としてこれを託されました。

こうして早田進次郎はウルトラマンスーツをまとい、暗躍する宇宙人たちとの戦いに身を投じていく──。

というのが大まかなストーリーです。

そして、このコミックをアニメーション化した作品が2019年4月からNETFLIXで全世界同時配信された『ULTRAMAN』です。

オールドファンの琴線に触れるキャラクターと設定

光の巨人記念館に飾られているウルトラマン像の存在も世界観を共通にしている  ©円⾕プロ ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

斬新にリニューアルされた『ULTRAMAN』の世界ですが、往年のウルトラマンファンの琴線に触れる要素も盛り込まれています。

今は〈光の巨人記念館〉となっている元・科学特捜隊日本支部の外観は『ウルトラマン』に登場したデザインのままです。

また、ハヤタ(早田 進)やイデ(井手光弘)のキャラクターも、それぞれを演じていた俳優、黒部 進や二瓶正也を彷彿とさせます。

記念館に飾られたウルトラマン像や科特隊隊員の写真なども懐かしいところ。

『ウルトラマン』最終回に登場したゼットン星人(『ウルトラQ』のケムール人の造型物を流用)と同じく背広を着ていたり、ダダに似たアダド、ピグモン顔をしたイガル星人の元王子など、馴染みのあるキャラクターたちが顔をそろえています。

加えて、セブン、ジャック、エースのネーミングのキャラクターたちが新たな役どころを得て活躍する様も胸が躍るところです。

二次元アニメを超えた『ULTRAMAN』

ウルトラマンと諸星 弾がウルトラスーツをまとったセブン  ©円⾕プロ ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

ウルトラマンのアニメーション映像化はこれまでもたびたび行われてきました。

たとえばアニメブーム隆盛の時代に登場した『ザ☆ウルトラマン』や、米ハンナ=バーベラプロと共同製作した『ウルトラマンUSA』などがそうした作品としてあげられます。

こうしたアニメーション作品の特性としてあげられるのが、実写では成し得ない映像表現と自由度の高い舞台設定、特撮スーツの限界を超えたキャラクターの創作といった点です。

しかしその反面、実写特撮だからこそ表現できたリアル感や重厚感が失われてしまったのもまた事実でした。  

ところがそうした二次元アニメーションのあらゆる欠点を克服しているのが本作『ULTRAMAN』なのです。

最新技術を駆使するクリエーターによる3DCGアニメーション

渋谷の交差点に突如現れた怪獣、ブラックキング。背景も舞台セットの如く3DCGで作られている  ©円谷プロ ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

本作の監督を務めたのは神山健治と荒巻伸志の両氏です。

美術監督のスキルを得ながら演出に転身し、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズでその名を一躍知らしめた神山監督は、2012年、セルルック(作画風)の映像によるフル3DCGアニメーション『009 RE:CYBORG』を発表し、新時代におけるアニメーションのスタンダードを確立しています。

また、荒牧伸志氏はCGによるメカニック描写に定評がある監督で、モーションキャプチャーを導入して世界初ともいえる3Dライブアニメーション『APPLE SEED』を完成させています。

このふたりがタッグを組んだのが『ULTRAMAN』なのです。

モーションキャプチャーによるリアルな芝居

モーションアクターの芝居がそのまま反映されたキャラクターはスーツアクションによる特撮作品に近いものを感じさせる  ©円谷プロ ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

近年、CGを使用した映像表現は実写ウルトラマンシリーズでも多用されていますが、それは主に特撮スーツでは表現できない怪獣や、ウルトラヒーローの空中戦シーンなどに使われていました。  

しかし、『ULTRAMAN』は全編が3DCG映像、セルルックアニメーションという点でウルトラマンシリーズの新基軸といえます。

登場人物は作画風のアニメキャラ、バトルシーンはリアルな特撮テイストという、いわばいいとこ取りの作品なのです。

モーションアクターを務めている俳優陣も特撮ファンには見逃せない面々が起用されています。

主役の早田進次郎役はかつてビデオ用に製作された平成版『ウルトラセブン』の主人公、カザモリマサキ隊員役でデビューした山﨑勝之が演じています。

諸星 弾役には『未来戦隊タイムレンジャー』のタイムファイヤー=滝沢直人を演じた 笠原紳司、そして進次郎の父である早田 進とゼットン星人・エド役にかつて『忍者戦隊カクレンジャー』のニンジャレッド=サスケ役、『星獣戦隊ギンガマン』の黒騎士=ヒュウガ役を演じた小川輝晃が担当しています。

彼らの芝居はそのままモーションキャプチャー技術によってデータ化されアニメーションのキャラクターでありながら実写に匹敵するリアルな演技を提示しています。

待ち遠しい『ULTRAMAN』シーズン2

異星人が開発した通称エーススーツをまとう北斗星司  ©円谷プロ ©Eiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi ©ULTRAMAN製作委員会

好評を得た『ULTRAMAN』シーズン1は全13本が発表されました。

ストーリー的にはエースとなる北斗星司がエースキラーと激闘を繰り広げる原作コミックの第8巻までとなっています。

新たな展開が待ち受けるシーズン2に期待しましょう!

テレビマガジン編集部

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンTwitter @t...