いやいや、とんでもない!
実際に観てみると、いずれも素晴らしい作品なのです。
怪獣の人気のバロメーターのひとつとして、後のウルトラマンシリーズに怪獣が再登場するかどうかがあるのですが、怪獣がテレビシリーズに再登場することはなかったものの、間違いなく面白い4つのエピソードをご紹介しましょう。
思ったとおりの姿に変身! ギャンゴは人の心を映す鏡だ
なんとその隕石は、人の心をテレパシーで察知し、その人が願ったものに姿を変えるのです。
この隕石に目をつけていた鬼田は、策略でそれを手に入れ、これでなんでも思うがままだと喜ぶのですが、まず願ったのは隕石を怪物に変えて人々を驚かすことでした。
隕石が姿を変えた人間サイズのギャンゴは凶暴さとコミカルさを兼ね備え、しかもみごとなまでにカラフルな模様に彩られていて、まさに人を驚かすのにぴったり!
図に乗った鬼田が、室内でギャンゴに大きくなることを願ったため、ギャンゴは建物を壊して巨大化し、鬼田も建物のがれきに埋まって気絶してしまいます。
ギャンゴは鬼田が乗り移ったかのように暴れまわり、ウルトラマンと対決することになります。
しかし、悪戯をするために生まれたギャンゴはなかなかの強敵でした。
そのバトルというよりも、子どもの悪ふざけのようなペースに乗せられたか、ウルトラマンは翻弄され続け、鬼田の意識が戻ってギャンゴがもとの隕石に戻っていなかったら、貴重な3分間を使いきっていたかもしれません。
武器は毒ガスだけじゃない! 生きた要塞・ケムラーの猛攻撃!
死火山のはずの大武山に発生した亜硫酸ガス、その中に見えた巨大な目、そして微弱だが頻発する振動。
そうした予兆を経て、ついに火口に潜んでいた毒ガス怪獣ケムラーが姿を現します。
ギョロリとした目に、大きく裂けた口、背中を覆う特徴的なこうらと、シンプルなうえに実に似顔絵が描きやすいケムラーですが、これがまた強い!
強力な毒ガスだけでもウルトラマンを苦しめるのには十分なのに、二股に分かれたしっぽの先からは光線を放ち、さらに顔面にスペシウム光線がヒットしても平気という強靱さ。
これはもう強豪怪獣と呼んでもおかしくないでしょう。
このケムラーを倒したのは、イデ隊員の新兵器、マッド・バズーカでした。
意外というべきか、納得というべきか、科学特捜隊の新兵器は他にもゴルドン、マグラー、ジェロニモン、そしてゼットンなどにとどめを刺しています。
今回ケムラーは、興奮するとこうらを開いて敵を威嚇する習性があり、そのときに唯一の弱点である発光部位がある背中が露出してしまうという致命的な問題がありました。
ウルトラマンと科特隊の協力でこの弱点を攻撃されたケムラーは敗れてしまいますが、その後は『ウルトラマンパワード』に再登場するのみというもったいなさ。
今度はその弱点をカバーして再チャレンジしてほしいものです。