香野村にやってきたシノブ副隊長を、駅でひとりの少女が待っていた。その少女・みどりはシノブ副隊長を宿まで案内すると、「反対なんてしない、お父さんに幸せになってほしいから」と言って去っていく。
みどりの父親である竹越真一は、シノブ副隊長の防衛軍時代の上司だった。竹越の妻は7年前に亡くなっており、竹越は防衛軍を辞めるとみどりを連れて、妻の故郷である香野村に引っ越していたのだ。
当時、そんな竹越にシノブ副隊長は好意を寄せており、それは今でも変わらなかった。シノブ副隊長の想いを悟った竹越は、「この村で暮らさないか」と声を掛ける。
この香野村にある二人山(にびとやま)ではダム建設の計画が進んでいたが、地元住民は反対していた。二人山には古くから「怨霊鬼」という怪物が地底に封印されているという伝説があり、「怨霊鬼を封じ込めている刀石を避けて建設工事を行ってほしい」と行政に訴えていたのだ。
怨霊鬼の伝説とは、戦国時代に敵対するふたつの国の若殿と姫が恋に落ちたが、その恋が成就できないことを悲しんだ両者は自害してしまう。しかしふたりの魂は成仏できず、怨霊鬼 戀鬼となるが、錦田景竜という武将によって封じられたというものだ。
しかし、村人との交渉にやってきた男性たちはその話を信じようとせず、その夜、祀られている刀石を爆破してしまう。そのとき、突如謎の地震が発生した。