初恋まねき猫

著・作:小手鞠 るい   イラスト・絵:岡田 千晶   装丁・その他:岡本 歌織  

発売日 2019/04/06
価格 定価:1,430円(本体1,300円)
ISBN-13 9784065151181
判型 四六
ページ数 178ページ

春休みにスキーで脚を骨折し、新学期早々学校を休んで退屈していた中学2年の龍樹の部屋の窓から、とつぜん銀色の美しい猫が現れる。猫のしなやかな動きに心を奪われた龍樹はずっと忘れていた絵を描きたい気持ちを思い出し、目の前にあったノートを一枚破ると・・・・・・


「この小説は、小手鞠るいから読者への贈物だ。」金原瑞人氏推薦!  
一般文芸のみならず児童文学界でも話題作を次々と発表し活躍する作家、小手鞠るい氏の最新作。画家になる夢を諦めていた少年と、童話作家を目指す少女と、謎めく銀色の美しい猫・・・・・・ふたりと一匹が出会う、淡い初恋物語。「小説という贈物は、ただ自分の好みに合っているだけでなくて、「えっ?」というささやかな驚きがあってほしい。そんなぜいたくで、切ない、切なる想いをかなえてくれる作品が、この『初恋まねき猫』。」(翻訳家・児童文学研究家・法政大学社会学部教授)

目次
1 天井の星座とカバさんの季節
2 アンジュとサージュ
3 ばら色の午後とすみれ色の夕暮れ
4 不安の雨雲と太陽の涙
5 魔法のオルゴールと空っぽのマッチ箱
6 十二の真珠とふるえる石
7 ふたりと一匹と一冊

春休みにスキーで脚を骨折し、新学期早々学校を休んでいる中学2年の龍樹のもとに、銀色の美しい猫が現れる。猫のしなやかな動きに心を奪われた龍樹はずっと忘れていた絵を描きたい気持ちを思い出して、目の前にあったノートを一枚破ると・・・・・・金原瑞人氏推薦!

 つめたい雨ふりの日に出会った
 あの小ちゃな小ちゃな子猫。
 どうしているかな。
 ちゃんとおうちに帰れたかな。
 元気で大きくなっているかな。
 なんて名前の子だったのだろう。
 せっかく出会えたのに
「さようなら」も言わないで
 右と左に別れてしまった。
   
 そこまで読んだときだった。
 窓の外から、だれかの歌声が聞こえてきた。春風が声を運んできてくれた。
 女の子の声だ。──本文より。

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角野 栄子
児童文学作家
1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。 代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。 2023年には、江戸川区に「魔法の文学館」がオープンした。 写真提供:魔法の文学館 童話作家・角野栄子のオフィシャルサイト 魔法の文学館オフィシャルサイト
ナコ
イラストレーター
宮城県仙台市在住。イラストレーター。アパレル・キャラクターのデザイン会社にてグラフィックデザイナー・イラストレーターとして活躍後に、フリーに転身。現在は、書籍や雑誌、広告のイラストから企業キャラクターデザイン、エッセイ漫画執筆、雑貨やテキスタイルデザインも手がけている。ブログ、SNSでもエッセイ漫画を公開中。 【著書】「ナコさんちの頑張らない家事」(KADOKAWA) ▼webサイト▼ https://nfsn66.net/ ▼ブログ▼ https://ameblo.jp/nacomusud/ ▼instagram▼ naco.nfsn66 ▼Twitter▼ @nfsn66
佐野 洋子
絵本作家・エッセイスト
1938年6月28日中国・北京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。 主な作品に『100万回生きたねこ』(講談社)、『おじさんのかさ』『おばけサーカス』(講談社・サンケイ児童出版文化賞推薦)、『すーちゃんとねこ』(こぐま社)、『わたしのぼうし』(ポプラ社・講談社出版文化賞絵本賞)、『だってだっての おばあさん』(フレーベル館)、『ねえ とうさん』(小学館・日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)などの絵本や、童話『わたしが妹だったとき』(偕成社・新美南吉児童文学賞)、さらに『神も仏もありませぬ』(筑摩書房・小林秀雄賞)、『役にたたない日々』(朝日新聞出版)、『シズコさん』(新潮社)、『死ぬ気まんまん』(光文社)、『佐野洋子対談集 人生のきほん』(西原理恵子/リリー・フランキー 講談社) などのエッセイ、対談集も多数。 2003年紫綬褒章受章、2008年巌谷小波文芸賞受賞。2010年11月5日72歳で逝去。 ©︎ JIROCHO, Inc.               
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