泥だらけのカルテ 家族のもとに遺体を帰しつづける歯科医が見たものは?
著:柳原 三佳
すべてを奪い去った3・11の津波。遺体を家族のもとに帰しつづける歯科医の背中が、壊滅状態の故郷の人々を復興に立ち上がらせた!
発売日 | 2022/12/01 |
---|---|
価格 | 定価:1,540円(本体1,400円) |
ISBN-13 | 9784065293409 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 176ページ |
【小学上級から】
世界中に広まった新型コロナウイルスの感染。それより百五十年以上も前の日本をおそったパンデミックに、敢然と立ち向かった一人の医師がいました。その名は、関寛斎(せき・かんさい)といいます。
江戸の末期、幕末の時代、鎖国していた日本に西洋の医学はほとんど広まっておらず、病がはやると、人々はまじないや祈祷をすることで難を逃れようとするありさまでした。
農家の長男に生まれ、チャンスを得て蘭学を学べる私塾「順天堂」に入り、苦学の末に医師となった関寛斎は、「まだ病にかかったわけでもないのに……」といぶかしがる人々に対し、天然痘のワクチンを接種するなど、現代の医学と同じ「予防」という観点から医療行為をほどこしました。
その寛斎が、とんでもない早さで伝染する流行り病が発生したことを耳にします。コレラです。「かかれば三日で死んでしまう」ことから「三日コロリ」と呼ばれたおそろしい病が、アメリカ艦隊が上陸した長崎から大阪、そして江戸へと感染者を拡大し、大勢の命を奪っているというのです。
コレラが「江戸の台所」と呼ばれた当時の大都市・銚子に入りこめば、死者の数が増えるばかりでなく、日本の経済にとっても大打撃となり、復興どころではなくなります。
関寛斎は、どのような方法でコレラに立ち向かったのでしょうか?
百五十年以上も昔なのに、現在、新型コロナウイルスの感染を防ぐために当たり前となった「ソーシャル・ディスタンス」の徹底をしていたことにも驚かされるばかりですが、寛斎の生きざまから伝わってくるのは、人の命を助けるという医師の仕事の重さです。
知られざる幕末の偉人、関寛斎について、物語のかたちで、すいすい読んでみませんか。
関寛斎が生きた時代に何が起きたのか、巻末に年表をつけました。幕末から明治の初めにかけての歴史も学べてしまう一冊です。
はじめに 第一章 佐倉順天堂 運びこまれた元力士/これこそが、西洋医学なのだ…… 第二章 種痘を広める 西洋医学を志す若者が目指す場所/農家に生まれ、学問に目覚めて/恐ろしい痘そう/痘そうから子どもたちを守るために/種痘を受けると牛になる?/治療や手術にかかる料金 第三章 銚子での開院 乳がんの手術を決意した母親/銚子の町を治めていた男/コロリが来た!/もはや無視できなくなった西洋医学/江戸の種痘所に呼ばれた寛斎/変わり果てた江戸の町/コレラと戦うための作戦 第四章 コレラから銚子の町を守れ 救えなかった目の前の命/迷信が原因で発生した食中毒/「コレラ予防対策八か条」/「ないものづくしの歌」と幕府の御触書/寛斎が守り切った銚子の町/コレラ菌発見の二十五年前に日本を救った男 第五章 戊辰戦争――戦火の中の出張病院 ポンペ医師の教え/腸チフスの感染拡大を抑える/「けが人に敵も味方もあるか!」 おわりに 関寛斎の年譜
著:柳原 三佳
すべてを奪い去った3・11の津波。遺体を家族のもとに帰しつづける歯科医の背中が、壊滅状態の故郷の人々を復興に立ち上がらせた!
著:柳原 三佳
2人の少年の命を奪った無謀運転による事故。不条理な裁判を戦う少年の両親と、遺族を癒やす保健所から引き取られた柴犬の真実の物語
著:柳原 三佳
明治維新150年を締めくくる巨弾大河小説が誕生。開成学園に脈打つDNAは、維新を駆け抜けた男の「人の仕立て方」から始まった。
著:柳原 三佳
わが子への虐待の罪に問われた保護者に次々と無罪判決が! 「揺さぶられっ子症候群」は、はたして虐待の根拠となるのでしょうか?
監:青山 やすし 著:井上 正治
~東京をつくった男~二刀流を超えるすごいヤツ!東北の没落平民から身をおこし激動の明治、大正期をまっすぐに生きた痛快な生き様!
著:石崎 洋司
500年以上も前に飛行機や戦車、ロボットも構想していた!? 「美貌のマルチタレント」レオナルド・ダ・ヴィンチって、どんな人?
作:小沢 章友 絵:十々夜
鎖国中の幕末、漁の船が難破してアメリカへ渡ったジョン万次郎。そこで教育を受け、やがて日米外交の場で活躍します。激動の生涯!
著:茨木 保
結核やコレラなどの感染症、また脚気など明治の国家的な健康問題に立ち向かった日本の近代医学の父―ー北里柴三郎の生涯を描く。
文:高橋 うらら 絵:森川 泉
1871年、6歳の津田梅子は、岩倉具視の使節団で渡米。科学者の道を捨てて帰国したのちは、日本の女子教育に一生を捧げることに。
著:中島 望
稲むらに火を放って津波から村人を救った浜口儀兵衛。百年後のふるさとのために巨大堤防を築いた偉人の生涯をわかりやすい物語に。
著:岡田 好惠
カマラ・ハリスはどう育ち、どう努力して、米国初の女性かつ、有色人種の副大統領となったか。大人も子どもも一緒に考えられる一冊。
著:石崎 洋司
小学3年生で世界に絶望したギフテッドが<新しい民主主義>の旗手となっていく物語。第70回 産経児童出版文化賞JR賞受賞。
文:倉橋 燿子 文:倉橋 麻生
上皇陛下の幼少期に教育係を務めていた教育者・倉橋惣三。子供の自発性を重視し、可能性を信じた惣三の、波乱万丈の生涯を描く
文:きむら ゆういち 絵:篠崎 三朗
戦後の焼け跡から、小さな店を大会社にして町を作り、地球の未来のために木を植え森をうむ。イオン創業者・岡田卓也のこれまでの歩み
文:キャスリン・ハリガン 絵:サラ・ウォルシュ 訳:伏見 操
今を生きる子どもたちへジャンヌ・ダルクからマララ・ユスフザイまで、時代を越えて希望をもたらす女性たち50人の新しい伝記絵本。
著:大野 益弘
日本が誇る偉大なる作曲家・古関裕而とは? NHKの連続テレビ小説「エール」の主人公の知られざるエピソードを名曲とともに綴る!
著:楠木 誠一郎
2024年に変わるお札の肖像。いつの時代、何をした人たちか知っていますか? 「現代ニッポンの父と母」の生涯を1冊で丸わかり!
著:楠木 誠一郎 イラスト:黒須 高嶺
ルイ16世の息子、17世の生涯。野口英世の裏の顔。推理小説の創始者のミステリーな生涯……。知ってガックリの偉人展にようこそ!
文:岩貞 るみこ イラスト・絵:曽田 正人
背が小さく、よく転ぶので「どんぐり」とあだ名された青年は、やがて日本を代表する冒険家となった――。冒険家、植村直己の生涯。