ガタンゴトン、ガタンゴトン。
SL銀河は、普通の電車とはずいぶんちがいます。車内はレトロな雰囲気で、赤いボックスシートに窓枠の上には星座のステンドグラス。さらに車内には売店やライブラリー、なんとプラネタリウムまであるのです。
宮沢賢治作品の展示やギャラリーも見て回り、「楽しかったなりね~」と大満足。すると、フラワーロールちゃんが「あ、いけない!」と飛び上がりました。
「わたし、ちょっと売店に行ってくるね!」
なにか買いたいものがあったみたい。きよひらくんが席で待っていると、フラワーロールちゃんがニコニコ顔で戻ってきました。
「お・ま・た・せ! 売り切れてなくてよかった~」
フラワーロールちゃんが買ってきたのは「SL銀河弁当」。おいしいと評判の駅弁で、夜空のイラストが描かれたきれいな包装紙に包まれています。
「わ〜、おいしそうなり!」
「一緒に食べましょう!」
フラワーロールちゃんはお弁当をていねいに開けると、包装紙をきっちり四つ折りに畳んで、カバンにしまいました。その様子を見ていたきよひらくんが、不思議そうにたずねます。
「お弁当の包み紙、取っておくなりか?」
「そうよ! だって、思い出は宝物よ。こうして大切に持っておくと、あとから見たときに、今日のことがよみがえるでしょう? 旅には終わりがあるけれど、心の中で何度でも思い出すことができるもの」
思い出は宝物。その言葉が、きよひらくんの心に響きます。
(フラワーロールちゃんは、いいことを言うなり……)
車窓からは、線路沿いにゆったりと流れる北上川が見えます。山のあちこちに桜の花が咲いていて、岩手にも遅い春がやってきたようです。
「あ! そういえば、同じ車両にカリンちゃんが乗っていたの。寝ていたから、声はかけなかったけど」
「本当なりか!」
カッパのカリンちゃんは、遠野市の公式キャラクター。同じ遠野のカッパ、くるりんちゃんと夫婦です。
「じゃあ、あとでおしゃべりしにいくなり!」「そうしましょ」
【くるりんちゃん】カリンちゃんと夫婦。「遠野物語」にも登場するカッパがモチーフ。遠野市内を「くるりん」と回って観光を楽しむことが大好き。



































