
おばけだけど怖くない!? ギフトにおすすめの“かわいくて不思議”な「おばけの絵本」3選[絵本の専門家が選出]
子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #24~おばけの絵本~ (2/4) 1ページ目に戻る
2026.08.13
絵本コーディネーター:東條 知美
「うれしい」をみんなで分かち合う物語
夏の絵本の定番のひとつ・おばけの絵本。おばけと聞くと、こわ~い絵本を想像される方も多いでしょう。でも、子どもだけでの留守番もあり得る夏休み、怖い絵本では、ますます留守番が不安になってしまうかもしれません。留守番に限らず、トイレやお風呂もおばけが怖いから、ひとりじゃ嫌という子どもも少なくないですよね。
今回ご紹介する絵本に出てくるのは、かわいいおばけ、気配だけのおばけ、子どもを守ってくれるおばけ。怖いおばけは登場しません。優しい気持ちや楽しい気持ちになれる、そんな3冊を選んでみました。
最初にご紹介するのは、『リリとネネのおばけパンケーキ』(講談社)。主人公は、しっかり者のリス「リリ」と、のんきなネズミの「ネネ」。2匹は小さな可動式のおうちで、どんぐりパンケーキのお店を営んでいます。
森の仲間たちに大好評で、前作『リリとネネのどんぐりパンケーキ』では、くまさんが100枚ものパンケーキを平らげてしまったほど。さて、今回のお客様はというと……なんと、おばけ!?
ある夜、2匹がパンケーキを焼いていると、窓を横切る白い影。おそるおそる窓を開けると、そこにいたのは、おなかが空いてペコペコだという「おばけちゃん」でした。
「おなかが すいているなんて、たいへん たいへん」と、2匹はパンケーキを振る舞います。すると、ひと口ごとにおばけちゃんの体のまわりに、わたあめのようなものがふーわふわ。なめてみると、甘くて、本当にわたあめみたいです。
ネネは提案します。「この おばけわたあめ、あまくて おいしいから、パンケーキに のせてみようか」。なんておおらか! ……いえいえ、これぞ職人魂ですね。あくなき味の追求が、奇跡のマリアージュを生み出します。
おいしいものはみんなに食べてもらいたいと、2匹は初めて夜にお店を開けることにしました。夜のお客様は、昼間とはちょっと違います。フクロウの親子、コウモリの兄弟、モモンガ。おばけちゃんは、みんなが自分を怖がらないかと心配しますが──?
読んでいるときの子どもの笑顔が目に浮かぶような、おいしくてかわいい王道のファンタジー。はずかしがり屋で“小さきもの”が大好きだという作者・田島かおりさんが紡ぐ物語は、どの作品もふんわりとやさしく、素敵なものをみんなで分かち合いたいという想いにあふれています。
キャラクターの愛らしさはもちろんのこと、夜の「闇」、さまざまな「光」を色鉛筆だけで描き切るこの圧倒的な画力を、物語とともに味わっていただきたいです。
*読み聞かせ 3さいくらいから
*ひとり読み 5さいくらいから



































