
「お風呂イヤ!」な子に贈りたい 心がぽかぽかする“お風呂の絵本”3選[絵本の専門家が選出]
子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #12~お風呂の絵本~ (4/4) 1ページ目に戻る
2026.02.19
絵本コーディネーター:東條 知美
お風呂で繰り広げられる冒険ファンタジー
最後にご紹介するのは『おふろだいすき』(福音館書店)です。1982年に出版されて以来、“お風呂の絵本といえばコレ”と言われるくらい、多くの子どもに読まれてきたロングセラー。お風呂の楽しさ、心地よさが感覚的に伝わってくる物語です。
主人公は、お風呂が大好きな男の子・まこちゃん。いつものように、あひるのおもちゃ・プッカをつれて入ると、お風呂の底から次々に動物たちが現れて──。
子どもたちを一瞬たりとも飽きさせず、何度も繰り返し読みたくさせるこの名作。子どもが夢中になる秘密はどこか、探ってみました。
一つ目は、ひとりでお風呂に入る主人公。子どもの冒険心をくすぐり、自分もトライしてみようと思わせます。お母さんがドアの前にいて、時折声をかけてくれる安心感があるから、子どもは好きなだけ“お風呂の大冒険”を楽しめるのですね。
二つ目は、お風呂の手順やマナーをそっと教えてくれること。例えば、まこちゃんがカバの体を洗う場面では「みみのうしろ」「あしのゆび」と、子どもがひとりで洗うときにおろそかになりがちなところを、さりげなく教えます。
三つ目は、日常にファンタジーが入りまじる楽しさ。お風呂といういつもの空間が、ドキドキワクワクする空間に変化します。小さなバスタブから、カバもクジラも出てくるという大胆な設定。「こうだったらおもしろいな」という子どもの想像がぐんぐん広がります。
四つ目は、ファンタジーを支えるリアリティー。物語にはたくさんの動物が登場しますが、すべて水の中や水辺にすむ生きもの。彼らの特徴が、エピソードや行動に活かされています。
そして最後、五つ目は、共感を呼ぶ“ぼく・私”みたいなキャラクター。競い合う双子のペンギン、シャボン玉で遊ぶオットセイなど、どこか子ども自身を思わせる動物たち。
最後は、みんなで湯船に浸かって数を数えます。上手に数えられる子もいれば、うまくいかない子もいて、そんな場面もぐぐっと身近に感じられることでしょう。
「絵が語りかけてくることが大事」、そう語った名ストーリーテラー・松岡享子さんの期待に、絵本の名手・林明子さんが見事に応えた一冊。やはり長く愛される絵本には理由があるのですね。
みなさんもお風呂でゆっくりあたたまって、元気にこの冬を乗り越えてくださいね。
取材・文/星野早百合
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星野 早百合
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。


















































































東條 知美
1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html
1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html