
「寝るのはイヤ!」という子に贈りたい “名月シーズン”の「お月さまの絵本」3選[絵本の専門家が選出]
子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #26~お月さまの絵本~ (2/4) 1ページ目に戻る
2026.09.23
絵本コーディネーター:東條 知美
子どもにとっては、不思議で妖しげな存在の「月」。夢想を誘う月は、古今東西、数えきれないほどたくさんの絵本に描かれてきました。
2026年の十五夜(中秋の名月)は、9月25日。月の美しい季節に、ファンタジーの世界にどっぷり浸れる「お月さまの絵本」を贈ってはいかがでしょうか。子どもも大人も、きっと心癒やされるはずですよ。
最初にご紹介するのは、手のひらサイズの小さな絵本『マギーとおつきさま』(瑞雲舎)。作者は、日本でもファンの多いアメリカの人気絵本作家、マーサ・アレクサンダーです。
鮮やかな黄色の表紙の真ん中には、暗闇の中で木に登る女の子と、その様子を見守る犬。黒い鉛筆で描かれたモノクロの世界に、唯一、色を与えられた満月が輝いています。思わず手に取りたくなる美しさです。
満月の夜、月明かりで目が覚めてしまったマギーは、愛犬を誘って窓からこっそりと抜け出します。なんと、お月さまを捕まえに行こうというのです。
部屋の中から見えるお月さまは、丘の上にのっているよう。外に出ると、今度はうんと低いところにあって、転がして持ち帰れそうなほどです。
ところが、リンゴ畑で見るお月さまは空高くにあって、木に登っても、投げ縄を使っても届きません。マギーと犬はガッカリして家に帰ろうとしますが、途中、池に落ちているお月さまを見つけて──。
美しい月夜に、女の子の小さな声だけが聞こえてくる静かな物語。お月さまは、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、水の中に隠れたり。眩しいくらいに照らしたかと思えば、雲に入って夜道を真っ暗にもしてしまう。子どもにとっては、なんとも不思議な存在でしょう。
この夜、お家を抜け出したのは、マギーと犬、そして、読者だけの秘密。詩情豊かで、眠りにつく前、お子さんとないしょ話のようにささやきながら読みたい一冊です。
*読み聞かせ 3さいくらいから
*ひとり読み 5さいくらいから
































