
探偵物語で「読解力」が伸びる! 小学生が夢中になる人気シリーズはコレだ!
出版ジャーナリスト・飯田一史この本おススメ! 第11回 「ミステリー・名探偵の物語」 (5/5) 1ページ目に戻る
2026.04.12
出版ジャーナリスト:飯田 一史
『怪盗レッド 2代目怪盗、デビューする☆の巻』『名探偵コナン』
ほかにも中学生ふたりが世界的な犯罪組織や盗賊と戦う義賊として活動する秋木真『怪盗レッド』シリーズも冒険・アクションものです。
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『名探偵コナン』シリーズは、原作漫画はホームズ型ですが、劇場版やその小説版は探偵側の話でありながら中身としては推理よりもアクション中心になっています。
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『ようかいとりものちょう』
また、『ようかいとりものちょう』は、岡っ引きである狐の妖怪コン七が江戸などを襲う悪の存在と戦闘して事件を解決していく伝奇アクションです。
推理要素はそんなにありませんが、もはや『銭形平次』や『鬼平犯科帳』などのドラマの再放送も珍しくなってしまった昨今、小学生に和風時代ミステリーである「捕物帳」ジャンルの存在を知らしめている、数少ない作品といえます。
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『IQ探偵ムー そして、彼女はやってきた。』『華麗なる探偵アリス&ペンギン』
ミステリー・名探偵ものはずっと人気がありますが、21世紀の児童書のミステリーには、かつての20世紀的なキャラクター造形とは違う部分もありました。
児童書やティーン向けの小説では、大人の男性(とくに中高年)はルールや理不尽を押しつけてくる存在であり、子どもの「敵」として描かれるか、あるいは逆に「無力・無害化」されて親しみやすい存在にされやすい傾向に。
例えばミルキー杉山は後者のパターンで、うだつの上がらない成人男性の探偵として描かれています。奥さんや娘さんの方が、推理能力が高く、ときには容疑者役が杉山に対して誤解を解くようなふるまいをし、若い犯人が自らトリックを明かしたりをすることも。
かつての江戸川乱歩の「少年探偵団」では、小林少年たちは大人である明智に守られる存在でしたが、近年の人気作では、大人と子どもの関係は、必ずしも「守る/守られるもの」としては描かれていません。むしろさまざまな意味で「子どもが大人に勝つ」姿を描いています。
また、21世紀以降の児童文庫のミステリーでは、「子どもの女性」主人公も人気です。
例えば2004年開始の『IQ探偵ムー』シリーズや2014年開始の『華麗なる探偵アリス&ペンギン』シリーズなどがそうですし、先ほどの『怪盗レッド』は、「怪盗」のアクション役が女性主人公です。
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もちろん、クラシックなミステリーであるシャーロック・ホームズも怪盗ルパンもいまだに根強い人気がありますから、何もかも変わってしまったとは言えません。
ただ、こうした「時代の変化」と、先ほど言った「年齢による変化」を踏まえつつ、読者それぞれに合ったミステリーを見つけてもらえたらと思います。
文/飯田一史
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飯田 一史
青森県むつ市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了(MBA)。 出版社にてカルチャー誌や小説の編集に携わったのち、独立。国内外の出版産業、読書、子どもの本、マンガ、ウェブカルチャー等について取材、調査、執筆している。 JPIC読書アドバイザー養成講座講師。 電子出版制作・流通協議会 「電流協アワード」選考委員。インプレス総研『電子書籍ビジネス調査報告書』共著者。 主な著書に 『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』 『「若者の読書離れ」というウソ』 (平凡社)『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』(星海社)『ウェブ小説30年史』(講談社)ほか。 ichiiida.theletter.jp
青森県むつ市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了(MBA)。 出版社にてカルチャー誌や小説の編集に携わったのち、独立。国内外の出版産業、読書、子どもの本、マンガ、ウェブカルチャー等について取材、調査、執筆している。 JPIC読書アドバイザー養成講座講師。 電子出版制作・流通協議会 「電流協アワード」選考委員。インプレス総研『電子書籍ビジネス調査報告書』共著者。 主な著書に 『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』 『「若者の読書離れ」というウソ』 (平凡社)『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』(星海社)『ウェブ小説30年史』(講談社)ほか。 ichiiida.theletter.jp