【A】解説
キリさんは麗美に「鈴なりの落花生がゆれている畑の脇を通った。」と言ったが、そんなはずはない。
同じ豆類でも枝豆などは地上に茎がのびて豆のさやがぶら下がるが、落花生は花が終わるとツルが地面にもぐり、地中でさやができるのだ。千葉は国内有数の落花生の産地だから、麗美が地元の人間ならそれを知らないのはおかしい。
キリさんはガソリンスタンドに着くと、「車の中にゴキブリがいた。」と出まかせを言って麗美を降ろし、彼女を置き去りにして急発進したのである。
キリさんの推測は当たっていた。麗美は〈怪力乱神〉のメンバーで、彼女に導かれるまま「旅館」に向かっていたら、キリさんたちはそこで待ち受ける面々にまんまとつかまることになっただろう。
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粟生 こずえ
東京都生まれ。小説家、編集者、ライター。マンガを紹介する書籍の編集多数。児童書ではショートショートから少女小説、伝記まで幅広く手掛ける。おもな著書に『5分でスカッとする結末 日本一周ナゾトキ珍道中<東日本編><西日本編>』(講談社)、「3分間サバイバル」シリーズ(あかね書房)、『かくされた意味に気がつけるか? 3分間ミステリー 真実はそこにある』、「ギリギリチョイス」シリーズ(ともにポプラ社)、「ストロベリーデイズ」シリーズ、『そんなわけで都道府県できちゃいました!図鑑』(ともに主婦の友社)などがある。
東京都生まれ。小説家、編集者、ライター。マンガを紹介する書籍の編集多数。児童書ではショートショートから少女小説、伝記まで幅広く手掛ける。おもな著書に『5分でスカッとする結末 日本一周ナゾトキ珍道中<東日本編><西日本編>』(講談社)、「3分間サバイバル」シリーズ(あかね書房)、『かくされた意味に気がつけるか? 3分間ミステリー 真実はそこにある』、「ギリギリチョイス」シリーズ(ともにポプラ社)、「ストロベリーデイズ」シリーズ、『そんなわけで都道府県できちゃいました!図鑑』(ともに主婦の友社)などがある。