【A】解説
こけしは東北地方の伝統工芸品。この家の持ち主が集めていたこけしは宮城県の「鳴子(なるこ)こけし」と呼ばれるものだ。鳴子こけしは頭部を胴体にはめこむつくり。頭を回すとキイキイ音が鳴るのが特徴だ。
磯崎さんはこれは年代ものの鳴子こけしだとにらみ、夜中に1号室に忍びこんで一つひとつ確かめた。つまり、座敷わらしの正体は磯崎さんだったのである。磯崎さんは、このこけしを「のろわれたもの」に仕立てあげ、売り払おうと考えた。最近ではこけしはブームになっていて、古いものが高く売れることがあるのだ。悪だくみを見破られた磯崎さんは、早々にゲストハウスを逃げ出した。
ちなみに、「こけしの語源は『子消し』で、死んだ子どもの代わりに作られた」という説はよく語られるが、誤りである。江戸時代の末ごろ、お椀や盆などを作る木工職人が子どものおもちゃとして作ったのがはじまりとされる。やがて東北の温泉地を訪れる人向けのおみやげとして人気になったという。
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粟生 こずえ
東京都生まれ。小説家、編集者、ライター。マンガを紹介する書籍の編集多数。児童書ではショートショートから少女小説、伝記まで幅広く手掛ける。おもな著書に『5分でスカッとする結末 日本一周ナゾトキ珍道中<東日本編><西日本編>』(講談社)、「3分間サバイバル」シリーズ(あかね書房)、『かくされた意味に気がつけるか? 3分間ミステリー 真実はそこにある』、「ギリギリチョイス」シリーズ(ともにポプラ社)、「ストロベリーデイズ」シリーズ、『そんなわけで都道府県できちゃいました!図鑑』(ともに主婦の友社)などがある。
東京都生まれ。小説家、編集者、ライター。マンガを紹介する書籍の編集多数。児童書ではショートショートから少女小説、伝記まで幅広く手掛ける。おもな著書に『5分でスカッとする結末 日本一周ナゾトキ珍道中<東日本編><西日本編>』(講談社)、「3分間サバイバル」シリーズ(あかね書房)、『かくされた意味に気がつけるか? 3分間ミステリー 真実はそこにある』、「ギリギリチョイス」シリーズ(ともにポプラ社)、「ストロベリーデイズ」シリーズ、『そんなわけで都道府県できちゃいました!図鑑』(ともに主婦の友社)などがある。