意外すぎる夫の心理…「夫婦喧嘩の原因」共働き子育て家庭のモヤモヤ解決法を専門家が解説

なんと、話し合いをしないことで、妻を守ろうとしている!? 布柴先生は「心理学的にも裏付けのある行動」だと指摘します。

「心理学では“葛藤回避”と呼ばれるものです。必要な話し合いから逃げるのは、決して良いこととは言えませんが……」

妻の側からすると目からウロコ、驚きの思考回路です。が、現代の日本ではよくあるケースだと先生は言います。

背景にある「夫婦喧嘩の力関係」

「会話から逃げるのは、『夫婦の話し合い』を怖がっているサイン。それには育った家族での体験が影響しています」

「かつての日本では、激しい夫婦喧嘩が問題視されず、一般的に見られました。その中で育った男性には、『夫婦の話し合いは必ず喧嘩になり、力の強い夫が妻を傷つける』と刷り込まれてしまっている人がいます」


特に普段から話し合いをしていない夫婦の場合、妻が爆発寸前まで不満を溜めてから「話がある」と切り出して、夫にはそれが「避けたい喧嘩の前触れ」に見えてしまう……布柴先生のカウンセリングでも、その恐怖から無言で席を立ってしまう夫たちがいたそうです。

「夫から話し合いを避けられたらまず、そのときの状況がどうだったか、と考えてみてください。話すのが嫌になる、話す前からピリピリした状況ではなかったでしょうか?」

(写真:アフロ)
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ですがイライラ・モヤモヤが募った状態では、「穏やかに話し合う状態」を妻側が作るのも、ハードルの高いことです。

布柴先生は対策として、普段から少しずつ、夫婦で話す機会を増やしていくことを勧めます。

「相談することがなくても、平時から、二人で快適に話す機会を意識して作っていくのが大切です。喧嘩をせずに話ができるという安心感を、お互いに作っていく。これには第1回(※)でお話しした、怒りに流されない『アンガー・マネジメント』が役に立ちます」

話し合いができている家庭では、「毎週土曜日に子どもが寝たら」「車での移動中」など、夫婦で話すタイミングを決めていることも。

夫婦で話すときには何かおいしいものを食べよう、など、心理的に前向きになれる環境を整えるのも一案です。

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夫婦間のイライラ・モヤモヤの核にあるのは、「なぜ私ばかり」の「不公平感」。

それは個人だけの問題ではなく、それまでの日本社会にあった構造から来ている──今回の連載で繰り返しお伝えした布柴先生の説明は、さまざまなデータや統計にも呼応しています。

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