
赤ちゃんに多い事故 「おぼれる」「体を打つ」「喉につまらせる」の対処法を小児科専門医が解説
「0・1歳児の赤ちゃんのホームケア」#9「溺水・打撲・誤飲の対応方法」
2025.04.21
小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏
おぼれたときの対処方法
次に、おぼれたときの対処方法を紹介します。もしものときのために、覚えておくと安心です。
【すぐに行うこと】
・名前を呼びながら肩をたたいたり、足の裏を刺激したりして意識を確認する
・意識・呼吸がない場合…救急車を呼び、到着するまで心肺蘇生を行う
・意識・呼吸がある場合…赤ちゃんを横向きに寝かせ、気道を確保する「回復体位」を取らせて安静にさせる

〈赤ちゃんの心肺蘇生の方法〉
①赤ちゃんの胸が上下しているかを見て、10秒以内に呼吸を確認する
②呼吸をしていなければ、心臓マッサージと人工呼吸を行う。「心臓マッサージ30回、人工呼吸2回」を1サイクルとし、救急車が到着するまで続ける。
心臓マッサージのやり方…左右の乳首の間を結ぶ線の真ん中から指1本分下の部分を中指と薬指で強めに圧迫する。目安は胸の厚みの3分の1が沈むくらい。早くリズミカルに行う。
人工呼吸のやり方…片手を額に当て、もう片方の人差し指と中指であご先に当て、頭を後ろにのけぞらせる(気道の確保)。自分の口で赤ちゃんの鼻と口をおおう。赤ちゃんの胸がふくらむのを確認しながら、静かに2回息を吹き込む。
〈回復体位の方法〉
①横向きに寝かせる
②寝返りを防ぐために上側のひざを軽く曲げ、下側の腕を体の前に置く
③頭を少し後ろにそらせて気道を確保する。
「腹部を押すなどして、無理に水を吐かせるのは絶対にNGです。吐いた水が肺に入ったり、気管に入ったりして、肺炎や窒息を引き起こす可能性があるので、覚えておきましょう」(岡本先生)