赤ちゃんに多い事故 「おぼれる」「体を打つ」「喉につまらせる」の対処法を小児科専門医が解説 

「0・1歳児の赤ちゃんのホームケア」#9「溺水・打撲・誤飲の対応方法」

小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏

おぼれたときの対処方法

次に、おぼれたときの対処方法を紹介します。もしものときのために、覚えておくと安心です。

【すぐに行うこと】
・名前を呼びながら肩をたたいたり、足の裏を刺激したりして意識を確認する

・意識・呼吸がない場合…救急車を呼び、到着するまで心肺蘇生を行う

・意識・呼吸がある場合…赤ちゃんを横向きに寝かせ、気道を確保する「回復体位」を取らせて安静にさせる

イラスト/オヨネ
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〈赤ちゃんの心肺蘇生の方法〉
赤ちゃんの胸が上下しているかを見て、10秒以内に呼吸を確認する

呼吸をしていなければ、心臓マッサージと人工呼吸を行う。「心臓マッサージ30回、人工呼吸2回」を1サイクルとし、救急車が到着するまで続ける。

心臓マッサージのやり方…左右の乳首の間を結ぶ線の真ん中から指1本分下の部分を中指と薬指で強めに圧迫する。目安は胸の厚みの3分の1が沈むくらい。早くリズミカルに行う。

人工呼吸のやり方…片手を額に当て、もう片方の人差し指と中指であご先に当て、頭を後ろにのけぞらせる(気道の確保)。自分の口で赤ちゃんの鼻と口をおおう。赤ちゃんの胸がふくらむのを確認しながら、静かに2回息を吹き込む。

〈回復体位の方法〉
①横向きに寝かせる
②寝返りを防ぐために上側のひざを軽く曲げ、下側の腕を体の前に置く
③頭を少し後ろにそらせて気道を確保する。

「腹部を押すなどして、無理に水を吐かせるのは絶対にNGです。吐いた水が肺に入ったり、気管に入ったりして、肺炎や窒息を引き起こす可能性があるので、覚えておきましょう」(岡本先生)

椅子や階段から落ちたり転んだあとに機嫌が悪い場合は受診が必要!

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