生後6ヵ月ごろになり、人を区別する認知能力が発達するために起こるのが「パパ見知り」です。
この時期は、身近な人と愛着をしっかりしたものにする時期でもあります。そのため親としては、できる限り子どもとの接点を持ちたいものです。
子どもの発達に詳しい昭和女子大学人間社会学部教授の石井正子先生も、子どもが泣くからといってお世話をすべてをママに任せないで、パパもできるだけ子どもとの関係を深めてほしいと話します。
第2回は、パパ見知りの時期の子育てのコツを紹介します。
(全3回の2回目。#1を読む)
「パパ見知り」への見方を変えてみる
パパ見知りの時期は、じつはパパもママも子育てのやりづらさを感じています。パパとしてはお世話をしたいのに子どもに嫌がられ、ママとしては子どもに求められることが多いので、育児や家事の負担が増えます。
「子どもの成長はなだらかに伸びていくと思いがちですが、イメージとしては階段状に伸びていきます。ですから上の段に登るときは変化が起きるので、子育てがやりづらくなるんです。
でも、やりにくさを感じているということは、子どもが成長している証なんですよ。
親は子どもの成長についていけずに戸惑ったり、扱いづらさに困ったりしますが、そのときはどうか『今、うちの子は成長している』と考え方を変えてみてほしいのです」(石井先生)
子どもが心身ともに大きくなろうとしている、と考えると、パパ見知りへの向き合い方も変わるはずと石井先生は話します。
「基本的に育児は共同作業です。普段から協力することが大切ですが、パパ見知りの時期のように、お互いに大変なときは特に支え合う必要があります。
そして、どういう状況が我が子は心地よさを感じるのかを考えながら、子育てしてほしいですね」(石井先生)