
子連れで被災・避難 その時パパママはどうしたか?
まずは子育て中のママが回答してくれたアンケートから。
・まだ子どもが乳児のときに停電して、水道も出なくなったので使えるのがガスだけ。予備の水をやかんで沸かしてミルクを作ったり、すぐ手が洗えなくて困った覚えがある。
地震や台風、大雪など、停電リスクは1年中ありえます。ガスや水道が使えなくなる可能性にも備えたいですね。
・実際は誤報だったため大事にはならずすぐに自宅に戻れましたが、マンションで火事だと避難指示がありました。財布・鍵・娘のおむつと食べられるもの全部とおくるみ、抱っこ紐をすぐにまとめて、階段で夜中に避難したことがあります。
夜中の避難指示。ただでさえ子連れは荷物が多いので本当に大変です。
・私自身が妊娠8ヵ月のとき、大きい地震があり会社の5階から階段で避難。寒い外での待機でお腹が張って大変だった経験があります。電車も止まり、家まで歩いて帰れる距離でなく、病院の場所も分からず不安でした。運よく車で送ってもらえて病院に行ったものの、停電で何もできず、とりあえず安静の数日でした。仕事場の近くの病院なども開拓しておくべきだと思います。もし旅行中などのときも、ある程度近辺を把握することは大切ですね。
妊娠中に避難したママからの体験談も寄せられました。大きいお腹での階段避難、お腹の張り、本当に不安だったと思います。出先の病院をチェックしておくという知恵は、子どもが生まれてからも実践したいですね。
ママを集めた座談会では、家族や知人の被災体験をシェアしてくれたママがいました。
・石川県に実家のある友人は、ちょうど地震があったときに子連れ帰省をしていて、断水がとにかく大変だったそうです。1週間ぐらい断水が続き、蛇口をひねっても泥水しか出てこず、家のストックは2Lの水1本しかなく、給水車も混んでいて水を得るのも大変だったようです。地震は揺れだけでなく、その後もすごく大変なんだなと感じました。(年少男の子のママ)
ライフラインが復旧するまでの大変さがよくわかるエピソードです。人手がなくワンオペ育児で給水車に並ぶことなどを想像すると、やはり水の備えは大切だと実感します。
・子持ちの妹が東日本大震災で被災しました。車で出かけた先だったので、立体駐車場のスロープが使えなくなり電車で帰宅しました。その後、計画停電もあり大変そうでした。自宅がマンションだったので、水を買っても上の階にあげるのが大変そうで、日ごろローリングストックで備えておくのが大切だなと思いました。(小5女の子と小1男の子のママ)
妹さんの被災体験を語ってくれたこちらのママ。震災後しばらく妹さんご家族と暮らしていたそうですが、
・当時、あかりは石油ストーブで、暖をとりつつという感じでした。未就園児の甥っ子が「みんなといるとあったかいね」「暗いところで見るストーブいいね」などと言ってくれて暗い気持ちが明るくなりました。
という心温まるエピソードも教えてくれました。
子どもが生まれて防災意識にはどんな変化があった?

最後に被災経験のないパパママも含め、子どもが生まれてから防災意識にどのような変化があったのか、アンケートへの回答をご紹介します。
・子どもが生まれてから、テレビでみる被災地の様子が我が身にいつかは起こることだと強く感じるようになった。
自分ひとりのときよりも、災害を自分ごととしてとらえるように変化したという声が多数ありました。
・大人だけなら多少の我慢は平気ですが、子どもに我慢させることや、夜泣き、泣き声などはやはりこたえます。もしものときに、子どもが喜びそうなもの(食べものや飲みもの)を備えるようになりました。子どものものから選ぶようになりましたね。
被災を想定したとき、パパママがまず思うのは子どもに我慢させたり、つらい思いをさせたりしないことですよね。
・乳児のころは、大人のものよりも手に入りにくそうなミルクやおむつなどを重点的に準備した。
ミルクやおむつといった必需品の備蓄は欠かせません。東日本大震災の際、岩手のご実家に住んでいたママからも、
・私はまだ子どもはいなかったのですが、子連れの方に聞いたところ、被災時はミルクやおむつが不足するみたいです。2週間ぐらいはもつよう買い置きをしたり、玄関や車のなかにも常に置いておくのがいいのかなと思いました。(年中と4ヵ月の女の子のママ)
という話を聞くことができました。
・息子が食品アレルギーを多く持っているので、備蓄食もアレルギー対応のものを選ぶようになりました。
お子さんによってはアレルギーに対応したり、月齢に合わせた離乳食を用意したりする必要が出てくるのですね。
・夜間在宅酸素および人工呼吸器を使用している子どもがいるので、発電機の購入も検討している。
こちらも命にかかわる問題です。お子さんごとにカスタマイズした備えが必要なことがわかります。
・自分が一人のときに災害が発生した場合、どうやって子どもふたりを連れて逃げるかシミュレーションをしている。
災害はワンオペ育児のときに訪れる可能性もあります。子どもの命を守るための行動を考えるようになったママのリアルが伝わってきます。
ママたちを集めた座談会でもこんな意見が寄せられました。
・我が子は発達障がいがあるので、ヘルプマークを用意して子どものリュックにつけています。身辺自立がまだできていないこと、大人も使えることから、家にはおむつを多めに用意しています。看護師の母から、生理用ナプキンは他人の血に触れずに止血もできて便利だと言われたので、防災バッグに多めに入れています。(小5女の子と小1男の子のママ)
生理用ナプキンに関しては、別の回の座談会でも
・娘がもうすぐ5年生なので、ナプキンの常備も必要ということを先日報道番組で学びました。(中1男の子と小4女の子のママ)
・ナプキンの不足が心配なので備えが必要かなと思っています。(中2・小6・小4の女の子のママ)
と、備えの必要性で話が盛り上がりました。
車社会に住むママからはこんな声も。
・東北住まいで寒いため、防寒着や寝袋を車に常備するようにしています。車社会なので、車で生活したり、車で逃げたりすることを想定して、元から車に置いておけるものは常備しておくようにしています。(4歳と2歳の男の子のママ)
車社会では、車移動中の被災や車への避難も考えられます。アンケートでも、
・車社会の地域に住んでいますが、子どもが生まれてから1泊車中泊ができるセットをいれてます。
と万全な備えをしている様子がうかがえました。
貴重な子連れ被災体験 防災対策にも活かして
今回の調査では、子連れでの被災体験や、子どもがいる家庭ならではの防災対策についてうかがいました。コクリコでは、ほかにもたくさんの防災関連記事を掲載しています。そうした記事をご覧いただき、いざという時に家族の命を守るための防災対策を見直してみてはいかがでしょうか?
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。
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