
不登校の子は甘い!? 勉強できなくなる? タツキ先生批判から不登校と勉強の遅れ・教育について考えた![教育ジャーナリストがコメント]
ドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』✕新書『フリースクールという選択』2/2 (2/3) 1ページ目に戻る
2026.06.06
不登校の保護者が抱くもっとも深刻な焦燥感であり、非当事者が批判の根拠にするのが「勉強の遅れ」です。学校に行かなければ基礎学力が失われ、将来社会に出てから自立できないという懸念は、もっともらしく聞こえます。
しかし、十分な休息とフリースクール等での自由な肯定体験によって心が安全を取り戻し、本人がみずから「知りたい」「学びたい」という意欲を取り戻したとき、その学習吸収力は爆発的なものになるといいます。
新書『フリースクールという選択』(著・おおたとしまさ/講談社+α新書)にも、次のような専門家のコメントが掲載されていました。
〈「普通の高校の5倍速くらいで学んでもらいます。15歳を超えて発達が安定してきてから本人がやる気になればそれは可能なんです」(市民立瀬戸ツクルスクール・一尾茂疋さん)〉引用:『フリースクールという選択』(講談社+α新書)
〈「多くの人が思い込んでいることとして(中略)三年間不登校で勉強していなかったら、取り戻すまでに三年かかるというものがあります。ですが、そんなことはありません。
中学三年生の子どもがこれまでの勉強をやり直すとしたら、はっきり言って、小学校六年間の学習は三か月から半年で学べますし、中学校三年間の学習も一年程度で学べます。実際には、学校で学ぶ期間よりもはるかに短い期間で同じ知識を身につけることができるのです」(和光大学・髙坂雅康さん)〉引用:『フリースクールという選択』(講談社+α新書)
また、不登校当事者だった子どものリアルな声にも驚かされました。
〈「小1の1学期で学校には行かなくなりました。でも、楽しみながら勉強する方法を教えてくれるちょっと変わった塾を親が見つけてくれて、週1回4時間だけ、そこに通いました。それだけで、小学校の勉強に遅れは感じませんでした。実際、中学受験もできました。
弟も、まったく小学校には通っていません。塾にも行かなかったので、小6でもかけ算九九ができませんでした。でも彼も中学受験を決意してからは目の色を変えて勉強しはじめ、なんと1ヵ月で6年間の国語・算数を終えてしまいました」〉引用:『フリースクールという選択』(講談社+α新書)
学習の遅れを気にしてまわりの大人があせると、子どもはプレッシャーを感じてしまい、なおさら心の回復が遅れます。すると自ら学習に取り組む意欲はいつまでたってもわいてこないのです。
ドラマのタツキが「勉強を教えずに遊んでばかりいる」ように見えるのは、まさにこの「学習の前提となる健康な心の土壌」を最優先でたがやしているからに他なりません。
あせる大人に対しておおた氏は本の中で次のように問いかけます。
〈私も保護者から「学校に行かなくて、勉強は大丈夫なんでしょうか?」という不安の声をよく聞きます。正直に言うと、それは私にはわかりません。
ただし、学校に行っていれば勉強が自動的にできるようになるなんてことも幻想であることは、わが身をふりかえってみれば誰でも気づくのではないでしょうか。多くのひとは、学校で、勉強なんて、ほとんどしていないのです。でしたよね?
その意味では、不登校の子たちと変わりません。逆に学校に行っていないあいだにたくさんの本を読んで、学校では教えてくれない膨大な知識や教養を身につけたひとだってたくさんいます。
それに、こういうときに念頭に置かれている「勉強」はたいてい、入試を突破するための受験勉強にすぎません。しかも日本社会においてそこは、学習塾に牛耳られているのが実態です。だとしたら、学校に行かないことの何をそんなに焦る必要があるのでしょうか。〉引用:『フリースクールという選択』(講談社+α新書)













































































