
「不登校から医学部進学」“ラップとフリースクール”でトンネルを脱して高校受験へ〔元野球少年の実話〕
不登校から小児精神科医を目指すまで 母親インタビュー第3回「ラップ大会と高校受験」/全6回 (4/4) 1ページ目に戻る
2026.08.01
教育ジャーナリスト:おおたとしまさ
孝子:私は何でも前のめりなんです。高校受験も、私のほうが先に資料請求して、有名な大手通信制高校と、公立の定時制高校をピックアップしておきました。
定時制のほうには、朝・昼・夜の3つのコースがありました。単位制で、最大6年在籍できるけれど、3年で卒業してもいい、という仕組みの学校です。
内申点がもう落ちてしまっていたので、一般的な偏差値順に埋まっていくような高校受験の世界には入っていけない状況でした。通信制か定時制なら、そういう子でもたいがい受け入れてくれます。
取り寄せた資料を子どもに見せて、「私が見た感じではこういうところが良い。あなたが行きたいなら通信制でもいいけれど、通信制はすごく学費が高い。経済的に我が家のレベルで言うと、できれば公立に行ってほしい。でも、どれを選んでもいいよ」と伝えました。
本人は通信制高校の見学にも行ったんですけど、「塾っぽい感じがする、先生たちが親切すぎる、言葉は悪いけれどビジネスっぽい」と言いました。
もっと普通の学校っぽいところがいい、グラウンドも体育館もあって学校らしいところがいい、ということで、公立の定時制高校を志望しました。
その高校はコミュニティ・スクールで、地域に開かれているんです。金銭的な理由だけじゃなくて、学校としても面白いと感じました。
入試は2パターンありました。作文・面接・内申点で決まる自己推薦型と、ペーパー試験はあるけれど内申点は問わない一般選抜型でした。
出席日数も関係なく入れるので、公立ならここだな、と。まず推薦で、第1希望を昼間部、第2希望を夜間部で出しました。そうしたら昼間は落ちて、夜間で合格できました。
だけど本人はとても嫌がって、「夜間の合格を辞退して、ペーパー試験で受け直したい」と言ったんですが、学校からはそれはできないという返事でした。本人は「通信制もいいところがないから、浪人にする」とまで言ったんです。
でも、寺子屋の大学生やお寺の住職さんが「絶対に夜間に行ったほうがいいよ」と説得してくれて、渋々、夜間部に入りました。
高校受験のために塾に通うことは、結局ありませんでした。時々、北大のお兄さんに見てもらうくらいで。それでも高校には入れます。
******
次(第4回)は、定時制高校の夜間部で今まで知らなかった世界を見た俊徳さん。「小児精神科医になりたい」と宣言します 。取材・文/おおたとしまさ(教育ジャーナリスト)
●おおたとしまさPROFILE
教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。リクルートから独立後、教育に関してさまざまな観点から取材を行い、著書は90冊以上。2026年5月に『フリースクールという選択』(講談社+α文庫)を上梓。どこの組織にも属さない在野の視点で現代の教育への考察・提言を続けている。メディアへの出演や講演も多数。
(Xアカウント:@toshimasaota)
★おおたとしまさ氏登壇の無料オンラインイベント2026年8月10日(月)開催★
おおたとしまさ× 井本 陽久× 相澤 樹「“学校に行けない”の先にある学びとは?〜フリースクール・オルタナティブ教育のリアル〜」【Zoomライブ配信】
・2026年8月10日(月)10:30~12:00無料
NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも注目された数学教師で、思考力教室「いもいも」代表・井本陽久氏、フリースクール「花まるAll Inclusive School」を立ち上げ、4000人以上の子どもたちと向き合ってきた相澤樹氏、『フリースクールという選択』(講談社)を上梓した教育ジャーナリスト・おおたとしまさ氏が登壇。
▶詳細はこちら
全6回の3回目
1回目を読む。
2回目を読む。
4回目を読む。※2026年8月2日公開
5回目を読む。※2026年8月3日公開
6回目を読む。※2026年8月4日公開


































おおたとしまさ
1973年、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。97年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、教育をテーマにさまざまな取材・執筆を続けている。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。 主な著書に『勇者たちの中学受験』、『子育ての「選択」大全』、『不登校でも学べる』、『ルポ名門校―「進学校」との違いは何か?』、『なぜ中学受験するのか?』など80冊以上。
1973年、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。97年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、教育をテーマにさまざまな取材・執筆を続けている。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。 主な著書に『勇者たちの中学受験』、『子育ての「選択」大全』、『不登校でも学べる』、『ルポ名門校―「進学校」との違いは何か?』、『なぜ中学受験するのか?』など80冊以上。