【不登校】新学期・夏休み明けに子どもの心を救う 親の4つの「言葉」〔子どものストレスの専門家〕が解説

子どものストレスマネジメント・前編

子どもを救う「4つの言葉」とNGワード

小関先生は、「家庭の雰囲気や親子それぞれの個性はさまざま。子どもへの声かけに、初めから正解・不正解が決まっているわけではありません」と言います。

大切なのは、対話をしながら一緒に考えるスタンス。声かけの例を参考に、「我が家なりの最適解」を探っていきましょう。

【1】「あなたはどうしたい?」

子どもが学校に行きたくないと訴えたら、子どもの気持ちを掘り下げ、一緒に解決策を探す姿勢を示すことが大切です。

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【声かけ例】

「どうしたい? 今日できそうなことと、できなさそうなこと、どんなことがある? できそうなことだけできるように、先生に一緒に相談してみようか」


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逆に避けたいのは、

「お母さんも仕事があるのに、わがまま言わないでよ!」

と𠮟ったり、

「勝手にしなさい! もう知らない!」

と突き放したりすること。このような対応だと、子どもの不安は増大しがちです。

一方、

「お休みしましょう。ゲームでもテレビでも、好きに過ごして」

と、放任するのもNG。学校を休ませる必要があるケースももちろんあります。しかし、単なる放置では、問題が解決しないまま、生活リズムが乱れてしまう恐れもあります。

【2】「ほかの可能性は?」

思春期の子どもは、狭い視野の中で悩みがち。

例えば、子どもが「友達にLINEを既読スルーされた。嫌われているんだ」と悩んでいるとします。

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【声かけ例】

「まあ、そういうこともあるかもね。ほかにどんな可能性がありそう? 例えば、あなたがお母さんのLINEを既読スルーしているときって、嫌いだから無視しているの?」


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こんな声かけをすると、子どもは、「別にそうじゃないよ。忙しいだけ」「返事しようと思っていても、忘れることもあるよ」などと答えるのではないでしょうか。

同じく、夏休み明けを前に「どうせ僕なんて勉強できないし」「私には友達が少ないから学校に行きたくない」などと言っていたら、「ほかの考え方があるかもしれないよ」など、ちょっと違った視点をもてるような声かけをしてあげましょう。

小関先生

「いい意味で思考を揺さぶり、ちょっと緩めてあげる。そうすることで、子どもはほかの考え方があることに気づき、楽になるかもしれません」

【3】「どうしたらいいと思う?」

小関先生は「子どもたちは小さいころから『自分でできることは自分でやりなさい』と言われることが多かったのでは」と指摘します。

小関先生

「自立心を育むためにはいいことですが、『甘えてはいけない』と思いこんだり、困ったときのヘルプの出し方が分からなかったりすると、本当に援助が必要なときに隠すことになりかねません」

大切なのは、自分でできることと、できないこととを正しく見きわめる力。そして、自分でできないことを、誰に、どのように、どんなタイミングでヘルプを出すか、適切に選択する能力です。

そこで効果的なのは、まず親が子どもに頼ること。

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【声かけ例】

「お母さん、最近○○で悩んでいるんだよね。どうしたらいいと思う?」


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小関先生

「僕自身も、我が子に『お父さん、仕事に行きたくないなあ。励ましの言葉をちょうだい』と言うことがあります。親が自らの弱さや感情を子どもに共有することで、子どもも親に相談しやすくなりますし、『こうあるべき』という固定観念を和らげる効果もあるのです」

【4】「できそうなことを一緒に考えよう」

もうすぐ夏休みが終わるのに、課題に手をつけていない。そんな気がかりが積み重なり、学校へ行けなくなる子どももいます。

親の焦りも無理ないことですが、余裕をなくして𠮟っては元も子もありません。

実は、こんなときこそ問題解決力を高めるチャンス。子どもの気持ちを受け止めつつ、親が一方的に答えを出すのではなく、子どもと一緒に解決策を考えてみましょう。

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【声かけ例】

「できそうなやり方を探そう。どんな方法があるかな?」


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「先生に相談する」「開き直って答えを写す」「友達に手伝ってもらう」「親が手伝う」など、実は対応の選択肢はたくさん。

子ども自身に「これならやれそう」と思える選択肢を選ばせ、実行をサポートしましょう。

小関先生

「幼いころのように親が一方的に提案するのではなく、一緒に解決策を考えることが大切です。子どもは『できなかったから学校を休む』以外の選択肢にも気づけるようになります」

とはいえ、いざ子どもが「学校がつらい」と言い出したり、部屋から出てこなくなってしまったりしたら、親は動揺するもの。時には最悪のケースを想像し、胸が苦しくなることもあるのではないでしょうか。

後編では、子どもの自殺など深刻な問題を防ぐ親の対応・家庭で取り組めるストレス対処法を、状況別にお伝えします。

後編は2025年8月30日に公開予定

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