
教育ジャーナリスト・佐野倫子です。「中学受験伴走」連載、今回はまさかの不合格を知ってからの、親子の軌跡をレポートします。
中学受験の第1志望に合格するのは3~4人に1人です。すべての家庭に桜が咲くとは限りません。
そこで今回は不合格だったご家庭の、心に残ったお話をいくつかご紹介します。
「何が何でも開成へ」と思い続けた12年
「夫は、今でも出身校である開成の仲間とよく飲んでいます。部活も厳しい運動部に所属していたので、余計に結束が固いのだと思いますが、いかに開成が楽しかったかについて結婚当初から聞いていました。
だから息子が生まれたら絶対にあの環境に入れてあげたい、と。
私は地方出身で、中学受験のことはちっとも詳しくありませんでしたから、素直に『東京にはそんな学校があるんだ。彼の経験と意志があれば、そこに息子も入れるかも』と気軽に考えていました。
実際、夫はとても一生懸命息子をサポートしました。正直、サポートというよりは、指揮・管理という言葉のほうが近いかもしれません」