【中学受験伴走】不合格だったとき 親はどう言葉をかけるべき?

~不合格からの軌跡編~

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

入学したら不合格のことは忘れる!

「入学してからは、日々新しいことの連続。『部活はどうしよう』『友達できるかな?』と心配しつつ、私は毎日のお弁当作り。娘は楽しみなことや、ドキドキすることが盛りだくさんで、毎日あっという間に過ぎている様子。

正直、入学式まではくよくよしていたのですが、現実が始まったら親子とも、すぐに適応! あれ? なんであんなに泣いていたんだろう!? って今では思っています」
(都内女子校進学の保護者)

「保育園のときからの仲良し3人。うちふたりは小学校受験で私立小に進学。うちの娘だけ公立小に進学し、小3から中学受験塾に通いました。最後は個別塾にも。それなのに、第1志望から第3志望まで不合格で、合格をいただいたのは小学校受験組と同じ系列の中学校……。

正直に言うと、『それならば小学校受験にすればよかった……』と茫然としました。あんなに塾に毎日のように通ったのに。小学校受験のほうが、親子の負担は少なかったのでは、と。

でも娘は『友達がいて心強い』と言ってくれて、入学してみればすっかり女子校生活を謳歌していますね。最初から仲良しの子がいたことで、小学校からの持ち上がり組とも仲良くできているようで、親としては子どもに教えられた形です」
(神奈川県女子校進学の保護者)

なんと嬉しいお話! そう、これまで何十というご家庭に取材をしてきましたが、ほぼ全員の方が「入学したらそこには新しい生活があって、すぐに合格不合格は遠ざかる」ということをお話しされます。時間と、子どもたちの力が必ず未来を拓いていくのだと。

そして最後に。

冒頭でご紹介した、開成が不合格で悲しんでいたお母様と息子さんですが、今、中学ではゼロから始めた運動部で活躍をされ、高校に進学されています。高校時代に短期留学をするため、今楽しく英語を頑張っているとのこと。「うちの子には今の学校、結果的にとてもあっていました」と数年越しのメッセージをいただきました。

何度でも言いましょう。「中学受験は、通過点」です。進んだ先で、たくさんの素敵なこと、成長の糧があります。

貴重な体験をシェアしてくださった皆様に、心から感謝と、エールを送ります。

取材・文/佐野倫子

※『2025年 最新やってしまったこと速報』を読む

『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』著:佐野倫子(イカロス出版)
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さの みちこ

佐野 倫子

Michiko Sano
教育ジャーナリスト

東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57

東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57