きのこ好きの親子にぴったりのイベント「きのこ展2024」が2024年10月20日(日)まで開催! 人気の秘密は「わかる、見られる、狩れる」

きのこ研究者・保坂健太郎先生が推す絵本「ほしじいたけ ほしばあたけ」も展示に貢献【後編】

展示きのこは獲れたて新鮮!

すべての画像を見る(全20枚)

保坂:毎年「きのこ展」に出すきのこは、その時期に採取できる種類になります。

だいたい展示が始まる1週間前から獲り始めて、低温室で保存したものを出します。でも「きのこ展」は9日間開催しているので、最初に展示したきのこは、数日で腐ってダメになる。だから「きのこ展」が始まってからも、毎日きのこを獲っては出して……という感じで、毎日同じきのこが並んでいるとは限らないのが、お楽しみポイントでもあります。

「きのこ展2023」で展示されたきのこ。きのこをアルミホイルに包んでいるのは食べるためではなく、保存のため。採取したきのこの形状を崩さず、水に濡らさずに、適度な通気性を持たせるには、アルミホイルでざっくりくるむのが最適なのだ 写真:国立科学博物館植物研究部菌類・藻類研究グループ

保坂:「不作」の年もありますが、だいたい毎年、つくば市にはイボテングタケが大量発生するので、それは今年も出せるのでは。毒キノコとして有名なベニテングタケも出してみたいのですが、残念ながらつくば周辺には生えていません。

キノコを求め山に入ることも多く、そのたびに「クマ除け鈴」を買ってるそう。オークションで買った珍しい鈴もあるという、保坂先生ご自慢のコレクション 写真:講談社写真部

保坂:地元で穫れない場合は、日本各地の協力者に、展示用のきのこを獲って送ってもらいます。そこから、珍しいきのこが出るときもありますね。僕個人としては、時期的にぜひマツタケが欲しいのですが、みんななかなか送ってこないですね(笑)。いつでも待ってるよ!

きのこは近所の公園でも見つかる! 【知られざるきのこの常識④】

──親子できのこを探すとしたら、身近な場所だと、どんな場所がありますか?

保坂:どんぐりか松の木が生えている公園がおすすめです。きのこ狩りというと、藪をかき分けてたどり着く山奥を想像するかもしれませんが、実際にきのこが生えているのは、林道など車で行ける道沿い。もっというと、公園のように土があって開けた場所のほうが、きのこが生えやすい環境になっています。

狙い目は、松やナラ、シイなどのどんぐりがなる木で、あまり下草が茂っていない場所が良いです。そして木の根元をよく探してみましょう。きっとなにかしらのきのこが見つかると思います。毒きのこも身近な環境にたくさん生えるので、獲ったきのこをむやみに食べるのは避けましょう。安全を守って、きのこに親しんでもらえるとうれしいです。

次のページへ 本当にきのこだらけ! 保坂先生の研究室に潜入
45 件