子どものウソは親のウソや叱り方が原因? ウソを減らす3つの方法を公認心理師が伝授
公認心理師・佐藤めぐみさんに聞く、「子どものウソ」の対応の仕方 #3 ウソをつかないようにする3つの方法
2022.10.08
公認心理師:佐藤 めぐみ
3つめの対策 親の軽はずみなウソは要注意
日常的に注意すべきことがもう1つあります。親は事実でないことを言っていることが意外と多いのです。
例えば、「お片付けできないなら、おもちゃ全部捨てちゃうよ」とか、「夜8時に寝ない子は明日遊園地に連れていかないよ」とか。本当は思っていないのに、軽い気持ちで言ったことはありませんか?
親は言ってはみたけれど、やらなかったり、できなかったりすることが多くて、これは子どもから見れば、「やらなくてもいいことを言ってもいいんだ」という認識につながっていきます。すると、自分の言葉に対しても、そこまで重きを置かない発言がしやすくなってしまうのです。これもウソを誘発する要因になると思います。
親が「おもちゃを全部捨てる」などと大袈裟にいう理由は、そのほうが言うことを聞くんじゃないかと思うからなんですけど、それで言うこと聞いたとしたら、要は脅しと同じことです。
子どもが友達に対して、「言うことを聞かないなら●●だよ」と、真似してしまうこともあります。やはり、真実でないことを親自らがポンポンいうのは控えた方がいいでしょう。ウソに対するハードルを下げてしまう結果につながってしまうと思います。
ウソで逃げる方法を癖にさせない
ウソは、癖にさせないことも大事です。子どものウソには悪意がないと話しましたが、ウソで逃げることが癖になるのはよくないこと。ウソで逃げたい心理にさせる原因が親にあるなら、それは取り除いてあげたいですよね。
幼いころは親といる時間も長いですから、子どもがウソをついたら、「今、子どもが逃げたくなるようなことをしてしまったかな」と、起きたことを観察してみましょう。
親だって人間ですから感情を抑えることはとても難しいです。しかし、それによって子どものウソは必ず減っていきます。ウソが習慣化する前に、ぜひやってみてくださいね。
取材・文/浅妻千映子
佐藤めぐみ(さとう・めぐみ)
0~10歳の子の育児に役立つ心理学を発信する公認心理師。英・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会認定心理士。自身が運営する『育児相談室・ポジカフェ』では、子どもの困った行動に悩むご家庭向けの行動改善プログラムや育児ストレスのカウンセリングを行う傍ら、学びの場『ポジ育ラボ』にてスマホで受講できるオンラインの子育て心理学講座を配信中。
佐藤 めぐみ
0~10歳の子の育児に役立つ心理学を発信する公認心理師。英・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会認定心理士。自身が運営する『育児相談室・ポジカフェ』では、子どもの困った行動に悩むご家庭向けの行動改善プログラムや育児ストレスのカウンセリングを行う傍ら、学びの場『ポジ育ラボ』にてスマホで受講できるオンラインの子育て心理学講座を配信中。2020年11月、コロナ禍で育児ストレスを抱えるママが自分の心のケアを学べる『ポジ育クラブ』をスタート。テレビ・雑誌などのメディアや企業への執筆活動を通じ、子育て心理学でママをサポートしている。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。海外経験が長く、諸外国の子育て事情にも詳しい。
0~10歳の子の育児に役立つ心理学を発信する公認心理師。英・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会認定心理士。自身が運営する『育児相談室・ポジカフェ』では、子どもの困った行動に悩むご家庭向けの行動改善プログラムや育児ストレスのカウンセリングを行う傍ら、学びの場『ポジ育ラボ』にてスマホで受講できるオンラインの子育て心理学講座を配信中。2020年11月、コロナ禍で育児ストレスを抱えるママが自分の心のケアを学べる『ポジ育クラブ』をスタート。テレビ・雑誌などのメディアや企業への執筆活動を通じ、子育て心理学でママをサポートしている。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。海外経験が長く、諸外国の子育て事情にも詳しい。