ヒールも履けず、ネイルもできず、最後に美容院へ行ったのもいつだったか……。子どもができると育児が最優先ゆえ、不本意だけど自分の“きれい”は後回しというママは多いのではないでしょうか。
かくいうママライターの私もそんなひとり。育児も仕事もバリバリこなし、キラキラ輝いているママを見かけると、なんだか自信をなくしてしまいます。と同時に、「輝いてるママと私、いったい何が違うの……!?」と、素朴な疑問が湧き出てくるのです。
だったら、“きれいなママ”本人に直接聞いてしまおう! ということで、今回お話を伺ったのは、料理家の松山絵美さん。
松山さんは7歳から12歳までの4人のお子さんを育てながら、料理家として活躍。インスタグラムのフォロワーは、実に18.9万人(2022年3月現在)という人気ぶりで、しかも、この美しさ! 松山さんの輝きはどこからやってくるのか、その秘訣に迫ります。
第1回は、育児・家事・仕事との向き合い方について聞きました。(全4回の1回目)。
最後には松山さんの最新刊のプレゼントもあるのでお見逃しなく!
完璧にこだわらず 疲れたときは「休みます」宣言!
――12歳(2009年生まれ)の双子の長男・長女、9歳(2012年生まれ)の次女、7歳(2014年生まれ)の次男と、4人のお子さんがいる松山さん。料理家の仕事をしながら4児の子育てなんて、想像しただけで目が回りそうです(笑)。いつもどんなふうに育児・家事・仕事と向き合っているのでしょう?
松山絵美さん(以下、松山さん)「あまり器用なタイプではないので、育児も家事も完璧にこだわらず、『今できる範囲でやろう』『ここまでできればいいや』という気持ちでいます。
私の場合は料理作りがおもな仕事なので、家族の食事を作ることが仕事に繋がっているのは助かりますね。毎日、夕食のおかずを作る過程で新しいレシピを開発しています。
レシピを書いたり、SNSに投稿したりする作業は、リビングで子どもの勉強を見ながら。そうすると『ママは仕事、僕・私はお勉強。一緒にがんばろうね!』と、子どもたちも喜んで取り組んでくれます。
双子の長男・長女が生まれたころと、いちばん下の次男が小さいうちは本当に大変でしたけど、今は4人全員が小学生になってずいぶんラクになりましたね」
――家事の中で優先順位はありますか?
松山さん「食事が最優先です。子どもが多いとなかなか外食ができなくて、毎日絶対に作らなくてはいけないものですから。
次に、子どもたちの学校の準備とキッチンの後片付け。キッチンが汚れたままだと、翌朝、朝食を作る前に片付けをするのがツラくて。優先順位の低い洗濯や掃除は、翌日に持ち越すこともあります。
もともと体力があるほうではないので、疲れが取れないとき、体調が優れないときは、昼でも夜でも『ママ、ちょっと休むね』と伝えて、遠慮なく横になります。
そうすると、子どもたちが毛布やぬいぐるみを持ってきてくれたり、ヨシヨシしてくれたり、お手紙まで書いてくれたり(笑)。競い合うように、それはそれは手厚い看病をしてくれるんです。子どもたちからの愛情を感じながら、ぬくぬくの毛布に包まれて幸せを感じますね」
――なんて優しいお子さんたち! そうやって『疲れた』『休みたい』と、正直に気持ちを伝えるのは大事かもしれませんね。
松山さん「そうだと思います。できないことは、ムリをしないであきらめる。時には子どもたちに甘えてしっかり休んだほうが、翌日以降、元気に過ごせますよね」
友人のひとことをきっかけに食の世界へ
――料理家として活動するようになったのは、何がきっかけだったのでしょう?
松山さん「子どもが多いと外でお友達と会いにくいので、家に招待して、よくホームパーティをしていたんです。子どもたちのお誕生日会やクリスマスパーティ、ハロウィンパーティ……など、料理を作っておもてなしをするのが大好きで。
その中にスイーツコーディネーターをしている友人がいて、『レシピを発信してみたら? 絶対やったほうがいいよ!』と勧めてくれて、ブログを始めたのがきっかけです。
レシピを投稿するようになったら、『作りました』『おいしかったです』とコメントをいただけるようになって、すごく励みになりました。
その後、今から5年ぐらい前の2017年頃でしょうか。私も利用していた『Nadia(ナディア)』(※1)に何度も応募して、念願だった『Nadia Artist』になれたときはうれしかったですね」
※1「Nadia(ナディア)」=料理レシピを紹介するWEBメディア。プロの料理家、フードコーディネーターなど、独自の審査を通過した通称・Nadia Artistのみがレシピを投稿できる
――いちばん下のお子さんは、まだ1~2歳の頃ですよね。まだまだ子育てが大変な時期に、新しいことを始めようと思えたパワーは何だったのでしょう?
松山さん「私も双子の長男・長女を産んでから、ふたりが小学校に上がるまでは何の興味も持てなくて。
子育てだけで精いっぱい、『おむつは何がいいかな』『離乳食は何を作ろうかな』『保育園と幼稚園、どちらがいいかな』と、子どものことしか考えていなかったです。双子なうえに性別も違うので、考えることが倍ありましたから(笑)。
でも、今の家に引っ越してきて新しくできたお友達が、バリバリ働いているママばかり。
『こうやって活躍しているママもいるんだ!』と、働くママに憧れを持つようになったのが大きいですね。特にスイーツコーディネーターの友人は、私が大好きな食の分野で働いていたので、とても影響を受けました。
料理は子どもの頃から好きでしたけど、まったく業種の違う接客業や、家業のお手伝いぐらいしかしていなかったので、こうやって料理を仕事にできる日が来るなんて思ってもみませんでしたね。
料理家になってからは『毎日レシピを投稿しよう』と決めて、今でもほぼ毎日レシピを投稿しています」