子どもが伸びる親の共通点 「待ち上手」な親になる「5つのステップ」を「先生の先生」が伝授

【子どもの才能を伸ばす「待ち上手」な親 #2】「待ち上手」には5つのステップがある

元公立小学校指導教諭、ベネッセ教育総合研究所教育イノベーションセンター主任研究員:庄子 寛之

子どもの行動に口出し気味だった親にとって、黙って見るのはかなり我慢がいることです。また、ただ見ていると、いいところも悪いところも両方が見えてきます。悪い部分が目についてしまうと、何か指図したくなってしまうでしょう」(庄子先生)

何もいわずに子どもの行動を見て、そのまま認めるという姿勢は、自分が整い、余裕がなければできることではありません。

そのため、つい口を出してしまうなら、ファーストステップの「自分を整える」に戻って、それが身についてから改めてチャレンジしてほしいと先生は話します。

「連載1回でも解説しましたが、人はすぐには変われない生き物です。大人ですら、すぐに変わることができません。

私もタンスの扉を開けっぱなしにして、今朝も注意されたばかりです。直そうと思っているのですが、これがなかなか直りません。習慣化していることは、それほど厄介なことなんです。

ただ見るの段階に入ったら、たとえば子どもに服を脱ぎ散らかす習慣があるなら、𠮟りたい気持ちを抑えて、我が子がどうやって脱ぎ散らかしているのか、脱ぎ散らかしたあとで何をしているのか、まずは様子をよく見てみましょう。

3日間、黙って見てみると、その中で小さな変化に気づくはずです。その際、プラスの変化があった場合は、『今日は服をあちこちにおかず。ここにまとまっているね』など、それを見逃さずに声をかけてあげてください。

そして、ただ見るをほかのことでも繰り返しやってみましょう」(庄子先生)

小さな変化を感じ取って、どんなことでも認めていくことはとても重要です。子どもはいいことでも無意識にやっていることが多く、本人が素晴らしい行いに気づいていないことがあります。

親が目の前の事実を受けとめて、あえて言葉にしてあげることが子どもの成長をあと押しします。

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子どもだってやりたくないときがあるから、「やらない権利」を認めてあげる

服を脱ぎ散らかす日があったり、ちゃんと洗濯カゴの中に入れる日があったり、子どもの行動にはムラがあるものです。ルーティンが崩れた場合は、どのような対応をすればいいのでしょうか。

「『約束したことができてない!』なんて親はいいがちですが、現代の子どもの生活は忙しく、疲れているものです。習い事を掛け持ちしていたり、複雑化する人間関係の中で友だちとケンカをして気持ちがふさいでいるときもあります。

日常生活のことは子どもが興味を持って取り組めたほうが教育的効果が高いので、できない日はやらない権利を認めてあげることも大切です」(庄子先生)

子どもの長い人生において、1回ぐらい日課ができなくても大したことではありません。むしろ、そこで無理やりルーティンをやらせて、そのあとずっと取り組まなくなることのほうが問題です。

子どもの様子を見て、やりたがらない我が子が目の前にいたら、「どうしたの?」と聞き、その日だけはその気持ちを尊重してあげると日課に再び取り組んでいけるでしょう。

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