お弁当の呪縛から離れた経営者ママが実践した「コーチング子育て」って?

【コーチング子育て】子どもの個性を見抜き、教えずに導く方法 #1

SoZo株式会社 代表取締役:あつみ ゆりか

理想を掲げすぎず、現実的に目指せる目標設定を

その後、具体的に調べていくと、この留学制度にエントリーするには学内50位以内の成績が求められることが判明しました。「ビリからいきなり50位以内に?」というのは無謀に思えるかもしれません。焦りは禁物で、小さな成功体験を積ませていきます。

中学1年のときは1つの教科で1回でも100位以内を目指します。それが達成できたら、2年生では全教科で75位以内、3年生で50位~60位以内、高校1年生で50位以内を目指します。現実的に目指せる内容を設定します。

3つ目は、タスクの“単純化”です。子どもによって得意不得意があると思いますが、英語と数学の2教科は強化しましょう。勉強のやり方の基礎が詰まっているこれらに絞ることで、「覚える」べきことと「考える」べきことを瞬時に切り分ける思考が身に付きます。

数学で公式を知らないのに「うーん」といくら考えても三角形の面積は求められませんよね。英語も、単語の意味や文法を知らなければ「This ( ) a pen.」の穴埋め問題を単純暗記でこなしてしまう。そうすると、教科書に出てこない問題、例えば「That ( ) my book.」が出てきたときに詰まってしまうのです。

最後の4つ目が、タスク遂行までの「声がけ」です。

3つ目で2教科を強化すべきことがわかっても、次から次とハードルが出現します。親では答えられないものは先生に聞くしかありません。「先生に聞きに行こうね」と言っても、素直に行く子どもは少ないかもしれません。そんなときに、親の声がけが大事なのです。きっちり並走していく必要があります。

我が家の場合、長女は頑なに行きませんでした。「先生が忙しそうだったから」「時間がなかった」という理由で、1週間ほど聞きに行かなかったのです。そこで、ニコニコしながらこう声がけしてみました。「本当は忙しいんじゃなくて、恥ずかしいんじゃないの?」と。

すると長女は「だって、できない子と思われたくない……」と漏らしました。イライラをぶつけず、こうした「声がけ」をしたことで子どもの本音を引き出せたのです。

「よく正直に言ってくれたね。でもね、成績でバレてるし(笑)。聞きに行くことで、逆に『この子はやる気はあるんだな』って可愛がってくれると思うよ!」と言うと安心したようで、翌日からちょくちょく先生に聞きに行くようになりました。

決して怒らず、明るくポジティブに子どもの思考を転換してあげるのがポイントです。そして、この行いが自分に有益だとわかれば子どもはどんどん先生に質問する子になる。先生といい関係性を構築できることもありますし、好循環が子どもの自走の第一歩になるのです。

いかがでしょうか? とはいえ子ども相手にすべてマニュアルどおりに進むわけもなく、コミュニケーションに骨が折れるときもあるかと思います。だからこそ、母親は子どもの置かれている状況を俯瞰できる“余白”をつくる必要があるのです。

皆さんも「お弁当」や家事を思いきってサボって、「コーチング子育て」に挑戦してみませんか?

あつみゆりか
SoZo株式会社代表取締役
1976年生まれ。法政大学法学部卒業。ビジネスとSDGsを効果的に接続できるカリキュラムとして企業研修向けeラーニングサービス「SDGsビジネスラーニング」を展開。元マイナビウェディング編集長。プライベートでは3児の母で夫婦ともに起業家。

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あつみ ゆりか

Yurika Atsumi
SoZo株式会社 代表取締役

1976年生まれ。法政大学法学部卒業。ビジネスとSDGsを効果的に接続できるカリキュラムとして企業研修向けeラーニングサービス「SDGsビジネスラーニング」を展開。元マイナビウェディング編集長。プライベートでは3児の母で夫婦ともに起業家。

1976年生まれ。法政大学法学部卒業。ビジネスとSDGsを効果的に接続できるカリキュラムとして企業研修向けeラーニングサービス「SDGsビジネスラーニング」を展開。元マイナビウェディング編集長。プライベートでは3児の母で夫婦ともに起業家。