スマホ育児で本が読めない子に? 乳幼児期に大切なスマホのルール

東京女子大・橋元良明教授「スマホ育児」の是非 #2~乳幼児のリスク編~

社会心理学者・東京女子大学教授:橋元 良明

大人でもつい見がちになってしまうスマホ。夢中になって、子どもが話しかけてきても適当に生返事をしていませんか。
写真:アフロ

「機能」と「約束」の2方向からルールを作る

スマホとかしこく付き合うためには、時間制限を筆頭にルール化が有効だと伺いました。その際に便利な機能をご紹介します。

「4〜5歳になってスマホを自ら操作できるようになると、使っていいトータル時間や時間帯をルール化して依存を避ける。この際に便利なのが使用時間を管理するアプリです。基本的には親の許諾なしには使わせず、時間の上限を必ず設定しましょう」(橋元教授)

ルール設定はキャリアのサービスやアプリによって簡単にできます。それ以外で、橋元教授が必要とする子どもと約束すべき事柄は「当たり前」のことです。

「食事時に使わないのはマナーとして当たり前。歩きスマホしないなど、一般的な社会ルールを守らせるのは大切です。スマホを持たせるにあたって、親子で約束を交わしてルール化しましょう」(橋元教授)

子どもにルールを守らせるため親も依存しないこと

橋元教授らの調査グループが実施したアンケート調査では、親のスマホ依存にも言及されています。子どもだけでなく、親もスマホとの付き合い方を意識する必要があります。

「近年は、親のスマホ依存率も高いです。特に母親で多いのはSNS依存。

LINEのママ友グループなどでは、すぐに返事をしなかったことから無視されるようになったり、ちょっとした発言が誤解を生んで仲間外れにつながったりということが現実的に生じています。その恐怖心によって、スマホから目が離せなくなる親もいます。

しかし、子育て中もずっと、ママ友とのやりとりなどでスマホを見ているお母さん方は自制すべきです。少なくとも、子どもと話しているときはスマホから目を離しましょう。子どもは親のことをよく見ています。親がスマホを見てばかりだと、子どもも同じようになります」(橋元教授)

「全体および子どもの年齢別 日常生活場面での母親のPSD状況認識(単位:%)」。子どもと接している際にスマホを触ってしまっている親が多いことがわかる。  提供:橋元良明教授(2019年に実施したオンラインアンケート調査より)

子どもの発達に与える影響が決して少なくないスマホ育児。ネガティブな影響を抑え、便利な機能を活かすため、きちんとルールを作って子どもを守る必要があるようです。そして、親自身がスマホと適切な距離をとってお手本となることも大切。子どもは親を見ています。

取材・文/井上良太(シーアール)    

※橋元良明教授のインタビューは全3回。
次回(#3)は22年1月9日公開です(公開日時までリンク無効)。
第3回 小学生のスマホ 盲信、依存、反社情報…危険から我が子を守る方法

第1回 スマホ育児はコミュ力に悪影響? 最新研究「共感性の危険」とは?

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はしもと よしあき

橋元 良明

社会心理学者・東京女子大学教授

社会心理学者。東京女子大学教授。専門は「情報社会心理学」と「コミュニケーション論」。携帯電話やインターネットの普及に伴いコミュニケーシ...

いのうえ りょうた

井上 良太

ライター

ライター/編集者。編集プロダクション・シーアール所属。硬派なインタビュー記事から飲食店などを紹介する街ブラ記事まで、さまざまな媒体でデ...