「料理しなきゃは思い違いだった」人気YouTuberの夫が気づいた実家の呪い
シリーズ「賢人に学ぶ『家族のごはんがしんどい』から解放されるヒント」#1‐2 性教育YouTuberシオリーヌさんパートナー・つくしさんインタビュー ~料理がしんどいときの解決策~
2023.06.13
ライター:畑 菜穂子
自分にかけられていた「自炊しなきゃ!」の呪い
「料理がしんどいからやめる」という選択は、人によってはなんてことないことかもしれません。しかし、つくしさんにとって簡単な選択ではありませんでした。
ふみきれずにいたのは、「冷凍食品やレトルト食品を使うことに対する罪悪感」など自身に備わっていた価値観だったと言います。そして、その根底にあったのは、知らず知らずのうちに受けていた実家の影響だったことに気づいたそうです。
「子どものころに両親が離婚し、母と弟と祖父母の家で暮らしていた時期がありました。祖母や母は、どんなに忙しくても体調が悪くても家族のごはんを必ず手作りしていたんです。
そんな2人が自分にとっての身近な大人でありロールモデルだったので、料理をしないこと、手を抜くことへの後ろめたさがありました」(つくしさん)
「今思うと、祖母や母だって体調が悪いときは無理をせず休んでもらったほうがよかった」とつくしさんは当時を振り返ります。
実はつくしさんのお母さんは、シオリーヌさんのYouTubeにも過去2回登場しています。2人は義母と息子のパートナーという間柄ながら、本音で語りあい、ゲラゲラ大笑いする様子は見ているだけで楽しく、実際、視聴者にも大好評でした。
「今も実家との関係は悪くないし、自分が料理をやめて冷凍食品やレトルト食品を使っていることに対して何か苦言されるわけでもありません。
実家の家族との関わりや自分とは食の価値観が異なる詩織(シオリーヌさんの本名)の影響を受け、『料理をしなきゃ』という呪いが少しずつ浄化されているように感じます」(つくしさん)
話を聞いていると、つくしさんは「手伝う」スタンスでなく、当事者として家事や育児をしていることが伝わります。
「家事は誰か1人がやることじゃなく、家族みんなで担(にな)うべきこと」というつくしさん。当事者意識の考え方は、どこから来たのでしょうか。
「家事や育児にしっかりと取り組む祖母や母親を見て育ったから『家族の一員として自分もやるものだ』という認識が育ったのかもしれません。
実家には祖父もいましたが、仕事から帰ったら家のことは何もせず、祖母が作ったごはんを『うまい』とも言わず黙って食べていて。
当時はそういう部分ばかりが印象に残ってしまい、子ども心に『もっと感謝するなり、協力するなりしたらいいのに。おじいちゃんは見習いたい大人じゃないな』と感じていました」(つくしさん)
もともと料理好きだったつくしさん。子どもが成長して今の忙しい状況が一段落したら、日常的に家族のごはんを作る日が再び始まるかもしれません。
料理に関して将来やってみたいことを聞いたところ「子どもと一緒に料理をする」をあげてくれました。
「自分も詩織もキャンプが好きなので、キャンプ場で一緒に料理をしてみたいです。焚き火の上で煮込み料理をしたり、パティ(円盤状の肉料理)を焼いて買ってきたパンに挟んでハンバーガーを作ったりするのも楽しそうです。
子どもが生まれる前に、詩織と一緒に餃子を皮から作ったことがあるんです。自分が餃子好きなのもありますが、とても楽しくて。ああいうのを子どもと一緒にやるのもいいですね」(つくしさん)
第3回は、「料理がしんどいならやめる」きっかけを与えてくれ、その選択を後押ししてくれたパートナーであるシオリーヌさんについて伺います。
畑 菜穂子
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
つくし
1997年生まれ、北海道室蘭市出身。助産師で性教育YouTuberのシオリーヌさんのパートナーで、医療系企業に勤務。2022年、第一子の誕生を機に約1年間の育休を取得。現在はパートナーと協力しながら育児に奮闘している。苦手な家事は枕カバーの交換。 YouTubeチャンネル「【性教育YouTuber】シオリーヌ」と、「つくしおりーぬ【仮】」では子育てやパートナーシップに関する動画へ出演している。 ●【性教育YouTuber】シオリーヌ ●YouTube つくしおりーぬ【仮】
1997年生まれ、北海道室蘭市出身。助産師で性教育YouTuberのシオリーヌさんのパートナーで、医療系企業に勤務。2022年、第一子の誕生を機に約1年間の育休を取得。現在はパートナーと協力しながら育児に奮闘している。苦手な家事は枕カバーの交換。 YouTubeチャンネル「【性教育YouTuber】シオリーヌ」と、「つくしおりーぬ【仮】」では子育てやパートナーシップに関する動画へ出演している。 ●【性教育YouTuber】シオリーヌ ●YouTube つくしおりーぬ【仮】