100均素材で理系脳が育つ! 静電気であそぶ手づくり実験「おもちゃ」3選
【おうちで実験教室】100均素材で理系脳が育つ!幼児にもわかる科学の見方・あそび方を専門家が徹底解説
2021.05.01
まだまだあそべる! アイデア次第で無限に広がる「静電気おもちゃ」
【必要なもの】
ティッシュペーパー
メラミンスポンジ(キューブ状ものは、薄くスライスするだけで使えて便利)
プラスチックのストロー(タピオカ用など、太めのものがベター)
お絵かき用に、スタンプやマジックなど
【つりあそび】
好きな絵を描いたメラミンスポンジ(写真は3cm角・0.5cm厚さを使用)を置いて、ティッシュペーパーでこすったストローでつり上げてあそびましょう。
【魔法のつえ】
ティッシュペーパーに縦長の絵を描きましょう。縦5cmを目安に切りとり、テープなどで一方を固定します。こすったストローを近づけると、ティッシュペーパーが起き上がります。
引き合ったり反発したり 静電気の力を「科学の目」で見てみると…
大前提として知っておいてほしいのが、この世界にあるすべてのものは原子という小さなツブでできているということです。その原子の中では、プラス(+)の電気をもった原子核のまわりを、マイナス(ー)の電気をもった電子がまわっています。
ところが、ものをこすり合わせると、電子が移動することがあります。たとえば、ティッシュペーパーでストローをこすると、ティッシュペーパーの電子(ー)がストローに移動するのです。こうしてティッシュペーパーは(+)に、ストローは(ー)の電気をもつようになります。
どの物質に電子がうつりやすいかは、ものの材質で決まります。毛皮や人毛などは(+)に、プラスチックや化繊などは(ー)になりやすい傾向があります。電子がうつりやすい順に物質をならべた表(帯電列)もあるので、お子さんといっしょに調べてみると、理解が深まるでしょう。
宝石の琥珀(こはく)も、静電気が起きやすいことで知られています。このことから、静電気の正体である電子は「エレクトロン(ギリシャ語で琥珀)」と名づけられました。現代のエレクトロニクス(電子工学)にも、静電気はつながっているのです。静電気は電気の学びの基本。ぜひ、いろいろな素材で実験をたのしんでみてください。
構成・文/湯地真理子
齋藤 実
都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。
都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。